「トランスフォーマー」シリーズは、株式会社タカラトミー(当時:株式会社タカラ)が販売している変形玩具。アメリカを代表する玩具メーカー・ハスブロ社がコミック出版社・マーベル社の協力を経て新たな世界観「TRANSFORMERS」としてアニメ展開したものが米国で大ヒット、それが日本に「凱旋帰国」する形で展開され、今に至っている「日本の玩具発」メディアミックスコンテンツだ。
トランスフォーマーは「Robots in disguise」=「身の回りにあるありとあらゆる物体にロボットが変形し、潜んでいる」というコンセプトの壮大なストーリーと共に展開し、1984年にアメリカで玩具発売後アニメやコミックに、1985年に日本でも玩具販売とアニメがスタート。さまざまなシリーズを重ね、現在では世界130以上の国と地域で5億個以上の販売実績を持つ。2007年にはスティーブン・スピルバーグとマイケル・ベイによりハリウッドで実写映画化。本年8月8日には映画最新作「トランスフォーマー/ロストエイジ」も公開となる。
自らの意志を持つ超ロボット生命体が、正義の「オートボット(AUTOBOTS)」と悪の「ディセプティコン(DECEPTICONS)」に分かれ、戦いを繰り広げるというトランスフォーマーの背景設定。 宇宙生命体である彼らは、地球ではその環境に溶け込むためにさまざまな乗り物や動物などをスキャンし擬態、変形(トランスフォーム)する。
敵味方に多彩なキャラクターが登場するトランスフォーマーの魅力の1つとして、キャラクター玩具としては珍しく悪役キャラも多くラインナップに入ることが挙げられる。
初代の玩具CMで使われた「君が選ぶ、君のヒーロー!」に表されるように、アニメ初期では特に群像劇として視聴者が主役を決めることができ、口の悪い正義の味方や魅力的な悪役など人間的な魅力あふれるキャラクターが登場。30年間の中で展開されたその世代ごとに、世相や技術も多分に反映されたものになっている。
最近では、ディズニーやナイキなどのブランドとのコラボレーションも記憶に新しく、海外のユニバーサル・スタジオでは3Dアトラクションが登場するなど、歴史と共に玩具を越えた「文化」にまで広がっている。
30周年記念企画の中で目玉となる、日本におけるトランスフォーマー史上最大規模のイベント「トランスフォーマー博 TRANSFORMERS EXPO」。パシフィコ横浜展示ホールB・Cの約10,000平方メートルの広い会場で、高さ7メートル級のオプティマスプライムやバンブルビーたち巨大トランスフォーマーの立像、映画に登場するトレーラーやカマロ、コルベットといった人気実車両の展示の展示が行われるほか、自分がトランスフォーマーになって世界に入り込んだかのような体験ができる巨大ジオラマゾーンや、最先端の3Dプロジェクションマッピングを使ったリアルなトランスフォームを体感できるという。
また、8月11日~13日の3日間の夜間限定で、「大人のための謎解き」をコンセプトにした「トランスフォーマー謎解きバトル~オートボット軍 VS ディセプティコン軍~」は、それぞれのチームに分かれた参加者がスマートフォンや携帯電話を使い暗号を解読していき、そのポイントの総合計により勝敗が決まるスリル満点のイベントだ。
テーマを 「Real Sensation(実感)」とする「トランスフォーマー30周年プロジェクト」。リアルに感じ、体験してもらうようなさまざまな企画が用意されている。タカラトミー・トランスフォーマープロデューサーの前田典秋さんに、30年の変化を聞いた。
「今回のトランスフォーマー博は、今の時代ならではの巨大ジオラマや3Dプロジェクションマッピングなどももちろんですが、没入感が今までのものとは格段に違う最先端のヘッドマウントディスプレイ『オキュラス・リフト』を装着したバーチャルリアリティをトランスフォーマーで体感出来るなど、新しい技術との融合も大きな見所のひとつです。
等身大のトランスフォーマー像も、リアルにいたらこのくらいのなのかという圧迫感も実感してもらえるのではないかと思いますし、日本に数台しか無いような総額数億円というようなスーパーカーたちが集結する、スペシャルさを味わってもらいたいです。
また、個人的に注目してもらいたいのが30周年のアーカイブ「トランスフォーマーラボ」ゾーン。 過去にも玩具を並べた展示はありますが、今回は会場の広さも相まって今までとは規模が違います。構想通りだと、これまでのアニメや映画になっているメインのシリーズほぼすべての歴代の玩具(約3,000体)が一同に集結。玩具パッケージの原画や初公開のイラストなど、あらゆるカテゴリーを展示します。
玩具も昔は可動が限られていたり格好が良くなかったものも、革命的なギミックやアクション性両立の技術を経て、ハリウッド映画でデザインされたものとも整合性を持たせて作っています。30年間の変形技術の変遷を総合的に俯瞰(ふかん)して感じてもらえるのではないでしょうか。また、大人の方でトランスフォーマーに触れたことがある人は、必ずその時の玩具が会場に置かれているはずなので、そこからまた魅力を思い出してもらえたらいいなと思います。
トランスフォーマーは子ども向けでありながら、良くも悪くもクオリティが高く、遊びきれないというイメージも付いてしまっていたのですが、今年は変形に手応えのあるムービーアドバンスドシリーズとともに、対象である子どもたちに一番楽しんでもらえる、簡単だけじゃなく驚きがあるギミック『かんたん変形』ロストエイジシリーズ玩具も登場しています。一発変形や、数ステップでの映画さながらのダイナミックかつスピーディーな変形ギミックにぜひ触れて『変形ってこんなに楽しいんだ』という過程や、可能性に気づいてもらえればと思います」
トランスフォーマー博期間中(8月9日~17日)、ドックヤードガーデン地下の「大人の部活」の活動拠点・街のシェアスペース「BUKATSUDO」と、飲食店街「みらい横丁」の参加店舗では、ドックヤードの秘密基地感をいかした連携キャンペーン「横浜ディセプティコン秘密基地キャンペーン」を展開。期間中に参加店舗10店舗で飲食し、レシート(料金問わず)とトランスフォーマー博チケットの半券を「BUKATSUDO」内の隠れ引き換えポイントに持って行くと先着1,000人に「コンボイ『アニバーサリークリアver.』」をプレゼントする。
また期間中、「BUKATSUDO」内の「BUSHITSU」で、横浜モンテローザ・三陽物産とのコラボレーション横浜土産:トランスフォーマー「エンブレムクッキー」が販売されるほか、スタンプラリーなどもおこなわれる。詳細は会期中に更新されるキャンペーンウェブサイト「横浜ディセプティコン秘密基地キャンペーン」で。
横須賀ヨシユキ+ヨコハマ経済新聞編集部