公益社団法人かながわデザイン機構(KDF)は、デザイナーの石田麻衣子さんが企画・制作した「なまずびと防災かるた」の体験会を11月17日、横浜市技能文化会館(横浜市中区万代町2)の工房で開催する。
地震の原因とされる「地震鯰(なまず)」をコミカルに描いた江戸時代の浮世絵「鯰絵」を現代風にアレンジしたキャラクター「なまずびと」を通して、子どもから大人まで、かるたで楽しく防災知識を学べるよう工夫した。
制作者の石田さんは震災の数年前、美術系大学の卒業作品としてこのかるたを発想し制作に着手。2011(平成23)年の大震災をきっかけに完成に向けて取り組んだ。宮城県沿岸地域に住む家族が被災し、家屋が浸水するなどの困難を目の当たりにして「発災してしまってからデザインが被災地にできることは少ない」と感じ、防災意識を高める活動に関心が高まったという。
「デザインを通じて防災に貢献したい」と考え、自然に知識が定着しやすい「かるた」に着目。耳で聞き、目で見て、札を取ることで触覚を刺激し、繰り返し遊ぶことで防災知識が身に付くツールとして完成させた。
全44枚の札には絵だけではなく防災に関する「防災まめちしき」を記載、基本的な防災知識を楽しみながら学ぶことができる。
体験会では、20分間のかるた体験会と、防災士によるミニレクチャーや防災絵本の読み聞かせを予定。会場には防災関連製品や「なまずびと防災かるた」の全札展示も行われ、実際に防災製品を手に取ることができる。
開催時間は13時から16時30分。事前申し込み不要。