
新高島駅地下1階の6月1日、芸術の複合施設「Art Center NEW(アートセンター ニュー)」が開館する。開館を記念し、同日から展覧会「NEW Days」を開催する。
2024年度まで「BankART Station」として活用されていた場所で、新施設のコンセプトとなるのは、名前にも付けられた「NEW」のキーワード。新しいアーティストや表現を紹介する展覧会=「NEW Exhibition」、新しい知識を得ることができるレクチャーやワークショップ=「NEW Study」、周辺地域と協働して開催する芸術の祭典=「NEW Festival」、海外の作家たちを招く=「NEW Residence」など、新たな発見をもたらすような企画の発信を予定する。
運営は東京・吉祥寺のアートスペース「Art Center Ongoing」の活動を中心に、15年以上にわたり現代美術の展覧会を企画してきた一般社団法人「Ongoing」(東京都武蔵野市)が担う。ディレクターは2008(平成20)年に同法人を創設した小川希さん。中央線沿線周辺を舞台に展開する地域密着型アートプロジェクト「TERATOTERA」のディレクター(2009~2010年)、茨城県県北芸術村推進事業交流型アートプロジェクトのキュレーター(2019年)など多くのプロジェクトを手がけており、「令和6年度芸術選奨文部科学大臣新人賞」を受賞。
グランドオープン記念展「NEW Days」には、尾崎藍、キンマキ、下司悠太、トモトシ、中野岳、東野哲史、大和楓、三田村光土里(以上、敬称略)の作家8人が参加。「家族が書いたメモやスマートフォンで撮影した日常の写真」をモチーフに油絵を描くキンマキさんや、「米とみそ汁で生活を成立させる」などの行動を発表してきた下司さんなど、90年代生まれの若手作家から、60年生まれの作家まで、幅広い年齢層の作家が名を連ね、映像、油絵、パフォーマンス、インスタレーションなどの表現手法の作品を展示する。
小川さんは「年齢の意味での『新しさ』は問わず、男女比、年齢も偏らず、表現ジャンルも多様。会場を全て使うので、空間のお披露目にもしたい」と話し「みその醸造や、日々の積み重ねのように、劇的な新しい何かがやってくるのではなくて、作品自体も毎日少しずつ変わっていくものもある。アート関係者だけではなく、さまざまな人にとって、新しい視点や考え方を得られて、価値観が変わるような場所になれば」とも。
開館時間は12時~20時、水曜・木曜は休館。観覧料は一般1,000円、大学生800円、高校生以下無料。記念展の会期は7月20日まで。