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新造客船「飛鳥lll」が完成 横浜から7月就航

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 郵船クルーズ(横浜市西区)は4月10日、ドイツ西部の都市・エムデンで新造客船「飛鳥lll」の引き渡し調印式を実施した。

「飛鳥lll」船上で執り行われた調印式

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 調印式は船上で行われ、郵船クルーズの遠藤弘之社長と建造を担ったMEYER WERFT(マイヤー・ヴェルフト)のCEO、ベルント・アイケンスさんが署名を交わした。式典では、国旗交換の儀式や、2023年9月のスチール・カッティングセレモニーで使用された2つのだるまに目が入れられ、「飛鳥lll」の完成を祝った。

 「飛鳥lll」は、郵船クルーズが所有する3隻目の客船で、横浜港を母港とする。総トン数は52,265トン、全長230メートル、全幅29.8メートルで、乗客数は740人、客室数は381室すべてが海側バルコニー付きという設計。エンジンはLNGを含む3種類の燃料に対応し、環境負荷の低減にも配慮されている。陸上電力受電装置も備え、寄港地での排出ガス削減が可能。

 同船のコンセプトは「つなぐ、ちから。」で、日本の伝統的なおもてなしを継承しつつ、食、エンターテインメント、ウェルネスなどを融合した多彩なプログラムを通じて、新たなクルーズ体験の創出を目指す。船内には日本の著名なアーティストによる美術・工芸作品を随所に展示し、文化的価値も追求している。

 初代船長には、飛鳥クルーズ第11代船長である小久江尚さんが就任。長年の航海経験をもとに、新たな船の安全運航と快適な旅を担う。

 「飛鳥lll」は2025年7月20日に横浜から出港する「Maiden Voyage(メイデンボヤージュ)函館・小樽」で初航海を迎える。以降、横浜、神戸、博多を起点に全17本のオープニングクルーズを実施。8月5日出港の「Yokohama Debut Cruise(デビュークルーズ) 日本一周」では、11泊12日かけて函館、小樽、金沢、舞鶴、門司、別府と日本各地を巡る。

 郵船クルーズは「飛鳥ll」との2隻体制により、長距離クルーズから短期旅行まで幅広いニーズに対応し、国内クルーズ市場の活性化を図るとしている。ブランドコンセプトは「本物との出会いと感動を伝える」。1990年に初代「飛鳥」が就航して以降、30年以上にわたり培ってきたクルーズ文化を次世代につなぐ試みとなる。

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