中区寿地区生活者の自立を促す活動を展開するNPO法人さなぎ達(山中修理事長)が運営する「さなぎの食堂」(中区寿町2)は6月16日、コンビニエンスストアのローソンと協力し、店舗で販売期限が切れたパンや弁当などを食堂で活用する試みをスタートした。
この試みは、近隣の「横浜ローソン尾上町三丁目店」で消費期限前に売場から撤去されるパンやおにぎり、弁当などを「さなぎの食堂」に無償提供し、「さなぎの食堂」は消費期限前に食材として顧客に提供することで、通常生ごみとして廃棄される食品を活用するもので、横浜市のコーディネートにより実現した。
ローソンでは、独自に商品の販売期限を設定し、期限が切れた商品は消費期限前に店頭から下げているが、企業の社会的責任としてこの余剰となった商品の有効活用方法を検討していた。ローソンでは、今回の試みで、余剰商品の削減状況や食堂での使用方法、食材費の節約状況、取り組み上の問題点等を検証し、今後の方向性を検討する。
「さなぎの食堂」にとっては公益的活動の安定実施(食材の無料調達)に、ローソンにとっては食品廃棄物の減量やCSR(企業の社会的責任)の推進に、横浜市はゴミの減量を目指す「G30」の推進や市民活動の支援につながる活動としてモデル化し、循環型社会の実現に取り組んでいる横浜から、「横浜型もったいない運動」として発信することにより、身近なことからもったいない運動の輪がさらに広がっていくことを目指すとのこと。
「さなぎの食堂」は、寿地区の生活者等に対して、安価で栄養バランスに配慮した食事を提供するとともに、地区生活者のジョブトレーニング等を行っている。NPO法人さなぎ達の活動は、「寿町なんでもSOS班事業」として平成17・18年度の横浜市協働事業提案制度モデル事業に選定されている。