横浜市は11月8日、2009年の開港150周年の記念事業として再整備する、横浜港発祥の地「象の鼻地区」再整備事業の最優秀提案者として小泉雅生さん(有限会社小泉アトリエ代表、43歳)を選定した。
小泉さんの提案は、象の鼻防波堤と開港を記念する広場を含む一帯を囲むようにFRPグレーチングでできたスクリーンが並べられ、大きな光のサークルを作っているもので、「象の鼻防波堤と開港を記念する広場全体の風景から、このサークルの形状を発掘しそれを視覚的に表現することに成功しており、高いシンボル性を獲得する可能性を持っている」(評価委員会の講評)と提案の独創性や空間の構成力が評価された。
同地区の再整備にあたっては、開港100周年(=1959年)以降に生まれた若手設計者に設計を託すことを前提にプロポーザル方式による選定を進め、10月26日に行われた第2次評価委員会で提案者5者による公開プレゼンテーションを実施、建築家の伊東豊雄さんや山本理顕さん、ランドスケープデザイナーの上山良子さん、土木設計家の篠原修さん、国吉直行横浜市都市整備局上席調査役など9人の評価委員による非公開審査が行われた。今後、小泉さんは既定の基本計画を元に設計を行う。
小泉さんは、小泉アトリエを2005年に東京で設立、同年6月2日に横浜市中区の北仲WHITEに移転し、今年11月からは同区の本町ビルに拠点を置いて活動している。最優秀提案者に選定されたことについて「採択は大変光栄なこと。2009年に向け横浜市民に誇れるような景観を作り、世界に向けて発信していきたい」とコメントしている。
11月9日から30日まで、横浜情報文化センター(横浜市中区日本大通)1階の情文プラザで、第2次評価委員会の公開プレゼンテーションに使用された5者の提案が展示される。9時~17時(初日は13時~17時)。