横浜市は10月23日、中区にある旧横浜生糸検査所附属倉庫事務所など5件を市文化財に指定することを発表した。
現在は、森ビルが所有し「北仲BRICK(ブリック)」の名称で知られる「旧横浜生糸検査所附属倉庫事務所」は、1926年建設の鉄筋コンクリート造地上3階建で、国内の鉄筋コンクリート造建築を先導した建築家遠藤於菟氏が設計を担当した。横浜に集荷されるすべての蚕糸を収容保管した生糸検査所の倉庫事務所で、震災復興期を代表する施設の一部として「キーケン」の名で親しまれた。昨年4月からは、横浜都心臨海エリアのまちづくりの拠点「横浜アーバンラボ」として活用されている。
そのほか市文化財に指定されたのは、1390年ごろ作成された尊像を安置する工芸品「須弥壇 附(しゅみだん つけたり) 後屏」(中区・三溪園保勝会所有)、彫刻「木造菩薩立像」(都筑区・清林寺所有)、仏教の典籍を中心とする資料群「龍華(りゅうげ)寺聖教」(金沢区・龍華寺所有)、京浜急行線金沢八景駅に隣接する緑地で尾根部にはスダジイなどの常緑広葉樹林が広がる「金沢八景御伊勢山・権現山の樹叢」(横浜市所有)。
今回の指定によって、横浜市の指定文化財は139件となった。
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