横浜市は今年10月に開始する新「救急システム」に先駆けて、「119番ガイドブック」を3月17日から配布する。
新しい救急システムは、「救命率の向上」と「救急業務の公正性・公平性の確保」を目的に昨年12月に交付された「横浜市救急条例」によるもの。通報時に症状の詳細を把握し、状況に合わせ軽症の場合通常3人体勢のところを2人体勢で出動。少人数編成にすることで対応力を向上させる。また、症状が重い場合には救急救命士が常務するAED(自動体外式除細動器)を積載した消防車を出動させるほか、緊急性がないと判断した時には、看護師などによるアドバイスを行う。
近年は不適切な救急車の利用で、重症患者の救急出動対応の遅れが問題となっている。そうした中、横浜市の救急車の救急出場件数は2005年まで増加傾向だったのに対し、2006年は155,317件で、前年と比較して7,219件(4.4%)減少したという。
これについて同市安全管理局の川村滋さんは「救急車の適正利用を呼びかける報道のおかげで、不適切な出動件数が減少傾向にある。今後はガイドブックも活用してもらい、より多くの命を救うために適正利用の普及に努める」と話す。
ガイドブックは新システムや救急通報のポイントを解説したもので、A5版16ページ。全世帯に配布する。