行政と民間の事業共有化を図る横浜市共創推進事業本部は、6月30日から市庁舎7階に民間からの相談窓口を設け本格的に始動する。市の事業を民間が請け負って運営するこれまでの形とは異なり、事業立ち上げから官民が協力する全国でも初の試み。企業の新たなビジネスチャンス創出や市民へのサービス向上、地域活性化が期待される。
「新しい公共を共に創る」という理念のもと今年4月に設置された同事業本部は、民間のノウハウやアイディアを生かして指定管理者制度やPFI(民間資金活用による社会資本整備)など既存の官民連携事業の問題点を改善するほか、市場化テストやネーミングライツなど新たな公民連携事業の創出を目指している。
今回設置する窓口は「共創フロント」と名付け、企業やNPO、市民団体から公民連携事業についての相談、提案を受け付ける。寄せられた意見は市の各区局で検討する流れ。また、本格始動にあたって嶋根直登さん(元大手金融機関勤務)と橋本徹さん(元国際機関勤務)の2人の民間人材を公募により採用、今後、民間での経験を生かしプロジェクトの推進、開発を担当する。
野田由美子副市長は「行政と民間がお互いの立場や考え方を理解しあい、共通の目的持つことで、真のパートナーシップを築いていきたい」と抱負を話している。
7月3日には、BankART1929(中区本町)で市職員や民間企業らを対象に「官民連携の課題と可能性」などをテーマにしたフォーラムを開催。行政と民間、市民の交流の場として今後も2009年3月までに年間7回ほどのペースでフォーラムを行っていく予定。