今年10月に144年の歴史に幕を下ろす横浜松坂屋(横浜市中区伊勢佐木町、TEL 045-261-2121)で7月24日より、閉店セールが始まった。初日は開店前から約500人の客が詰めかけ店頭に列を作った。
閉店セールでは、ファッションフロアをメーンに創業年数144年にちなみ婦人帽子やゆかたを1,440円提供するなど全館をあげて商品を割引価格で販売。セール期間は10月26日の閉店まで行い、96日間で前年比250パーセントととなる40億円の売り上げを見込んでいる。同店の長岡達也さんは「セール期間は100人の応援スタッフをそろえ万全の体制。在庫だけなく品揃えを充実させ、これまでの感謝の気持ちをを伝えたい」と話す。
オープンの1時間以上前から店頭に並んでいた南区在住の小松マサコさんは「松坂屋の前身のノザワ松坂屋だった30年ほどまえから通ってきた。子どもと食堂をよく利用したことを思い出します。横浜駅のように『ごみごみ』していないところが好きだったが、閉店後はどこを利用したらいいのかと思うととても寂しい」と閉店を惜しんだ。
期間中は伊勢佐木町の歴史を紹介する写真展や、ポスター展なども開催。そのほか、7階のおこのみ食堂では20年前の人気メニューで生バチマグロの漬けを白飯にのせた「あずま丼」(1,575円)が復活する。
横浜松坂屋は、立地や競合店舗など周辺商環境の変化による業績の低迷に加え、本館建物の老朽化が進んでいることを理由に本館建物を解体・撤去することを6月に発表した。閉店後は低層階に商業・サービス機能を備えたマンションとの複合施設を建設する予定。
横浜松坂屋ゆず生誕の地「横浜松坂屋」が10月に閉店解体-144年の歴史に幕(ヨコハマ経済新聞)横浜市、松坂屋本館など4件を歴史的建造物に認定(ヨコハマ経済新聞)