横浜市中区・京急線日ノ出町駅前の再開発事業が本格的に始動する。地元地権者の提案を受けて横浜市がまとめた計画が9月1日の横浜市都市計画審議会で原案通り可決された。今後は住宅・商業複合ビルの2011年完成を目指し、地元権利者らにより事業計画が策定される。
今回可決されたのは「日ノ出町駅前A地区第一種市街地再開発事業」で、事業予定地は日ノ出町駅前を通る都市計画道路「桜木東戸塚線」と伊勢佐木町へのびる道路「横浜駅根岸線」、大岡川に囲まれた約7,000平方メートルのエリア。建設するのは、地上23階地下1階建て、延べ床面積約23,900平方メートルのビルで、地上4階までは商業・業務スペースに充て、5階以上の上層階は170戸の住宅となる予定。建築物の壁面を後退させ、道路に沿って空間を確保するほか、大岡川沿いは野外通路、広場空間を設ける。
同エリアは、老朽化した建築物が並び、駅前という立地が生かされていないのが現状。環境整備が進められている黄金町や初音町などと、野毛地区の結節点でもあり、今回の再開発でJR線、横浜市営地下鉄線の桜木町駅から京急線黄金町駅にかけての回遊性の向上を図る。
計画は1997年に地元地権者による「日ノ出町駅前A地区市街地再開発準備組合」が設立されて以降検討されてきたもの。今回、約10年の調整を経て関係権利者の合意が図られた。