神奈川芸術文化財団は2月10日、4月19日~7月23日に開催する「第16回神奈川国際芸術フェスティバル『明日への祝祭!』」 の記者発表を都内で行った。
国際的で多彩なジャンルの芸術が一堂に会する同フェスティバルは、開館35周年を迎える神奈川県民ホールと55周年を迎える県立音楽堂が主催。記者発表会には、フェスティバルの芸術監督を務める作曲家の一柳慧さんやピアニストの山下洋輔さんらが参加。オペラ、バレエ、オーケストラ、室内楽などの音楽公演や、神奈川県出身のアートディレクター・浅葉克己さんの作品展を行うことを発表した。
フェスティバルの幕開けは、4月19日の声楽と古楽のアンサンブル「ル・ポエム・アルモニーク」の公演。テオルボやヴィオローネなどのヨーロッパの古い楽器を含む管・弦・打楽器とコーラスによる11人編成のグループが来日。16世紀末~17世紀前半のフランス音楽を披露する。
5月8日と10日には、第2次世界大戦時のリトアニアの外交官・杉原千畝がビザを発行して6,000人のユダヤ避難民を救った史実を題材とするオペラ「愛の白夜」が、一柳慧さんの作曲、辻井喬さんの台本で上演される。
また、5月30日のコンサート「クラシックな休日を in 音楽堂~祝祭編」には、指揮者の藤岡幸夫さん、神奈川フィルハーモニー管弦楽団や邦楽グループなどが出演。講談師により世界と日本の音楽史を紹介しながらゆかりの名曲を演奏するほか、一柳慧さんが新たに書いたピアノ協奏曲を、山下洋輔さんが演奏する。
そのほか、世界的チェリストのスティーヴン・イッサーリスさんの室内楽公演、ピアニストのマリア・ジョアン・ピリスさんによるベートーヴェンの演奏、森下洋子さんと清水哲太郎さんが主演する松山バレエ団の「シンデレラ」全幕、芥川賞作家の多和田葉子さんとジャズピアニスト・高瀬アキさんらによる朗読と音楽・ダンスのコラボレーション公演などが行われる。
記者発表で山下洋輔さんは「現代音楽を牽引してきた一柳さんの新譜が弾けると聞いたら、世界中のピアニストが食いついてきます。開催まで一柳音楽漬けになる、至福の日々です」と話した。
会場は、神奈川県民ホール、県立音楽堂、横浜赤レンガ倉庫1号館。