経済産業省が認定する、全国の産業近代化を支えた建造物や設備への「近代化産業遺産群 続33」に、横浜市内の山手公園、横浜公園、根岸森林公園などが加わり、23日に大阪で開催された「近代化産業遺産保存・活用担い手サミット」で認定証の授与式が行われた。
全国540ケ所の近代化産業遺産のうち、横浜市の施設では山手公園(横浜市中区山手町、1870年造成)、横浜公園(横浜市中区横浜公園、1876年開園)、根岸森林公園(横浜市中区根岸台)などが「旧居留地を源として各地に普及した近代娯楽産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」として認定を受けた。山手公園は日本初の西洋式公園で、近代テニスの発祥地であり、横浜公園もまた日本初の野球の国際試合が行われた場所。
また、県内では「清潔な水を大量に供給し都市の生活・産業の発展を支えた近代水道の歩みを物語る近代化産業遺産群」として、城山ずい道(1914年建設)、旧三井用水取入口(両施設とも相模原市津久井町、1887年建設)なども認定を受けている。
横浜市環境創造局環境活動推進部長の本山忠範さんは「横浜開港150周年という記念の年に、歴史ある横浜の3つの公園が認定され、大変喜ばしく思っています。今年は横浜に観光でいらっしゃる方がとても多くなります。開港当時の歴史を物語るスポットとして、これらの公園にもお越し頂き、園内に残る遺産を見ながら静かな時間を過ごすのも、またいいのではないでしょうか」と話す。
同認定遺産群の取りまとめは、近代産業発展に貢献した建造物や設備機器、文書、復元物や模型などの持つ価値を顕在化させ、地域活性化のために認定する「近代化産業遺産の活用による地域活性化推進事業」の一環として、産業遺産活用委員会(西村幸夫座長)が産業遺産の実態と保全・活用の取り組みを検討している。認定を受けた遺産には、認定証や認定プレートが交付される。