ヨーロッパを中心に活動する若手振付家・ダンサーの梅田宏明さんの日本初単独公演が、3月20日から22日まで横浜赤レンガ倉庫1号館で開催される。
同公演では、パリやローマなど欧州を代表する国際フェスティバルと共同制作された、光の色に焦点をあてたソロ作品「Haptic」と、横浜赤レンガ倉庫1号館と、フィンランド ダンスインフォメーションセンターが企画した「日本-フィンランド共同制作プロジェクト」で制作したグループ作品「1.centrifugal」を上演。グループ作品は、梅田さんがフィンランドのダンサーらに振り付けを行う。
また、会場では、2005年にビデオ作家とのコラボレーションによりマドリッドで製作されたダンス映像作品の3作品の上映を行う。公演終了後には、梅田さんと、岡田利規さん(演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰)、佐々木敦さん(批評家)、フィンランドから招いた出演ダンサーなどによるアーティスト・トークも行われる。
梅田さんは、日本大学芸術学部で写真を学んだ後、20歳から踊りを始めた。バレエ、ヒップホップを学び、2000年に自身のカンパニー「S20」を発足。2002年に「横浜ダンスコレクション・コンペティション」で、バニョレ国際振付コンクール本選の出場権を得たのち、フランスなどヨーロッパを中心に活動している。2008年9月には、新国立劇場で作品を発表。今後はフランス及びヨーロッパ、アメリカでの公演が予定されている。
今回の公演「ST SPOT横浜 the Ground-breaking 2009/Red Brick Contemporary Dance File」は、ダンス公演を積極的に行っている「横浜STスポット」と、新進振付家の世界的登竜門になっているコンテンポラリー・ダンスのフェスティバル「横浜ダンスコレクション・コンペティション」を主催する横浜赤レンガ倉庫1号館が共同で開催。
梅田さんは「ダンスは体を使った表現だが、その体は僕にとってはただの『もの』。社会的な機能性を排除したところで、体の可能性をダンスという観点から模索している。オブジェクトとして体を捉え、舞台上の光、壁、音などと等価であるという考えを基に、自作ではダンスのみならず、音・映像・照明なども担当し、空間を振付けしていると考えて作品を作っている」と話す。
会場は横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール。料金は前売3,000円、当日3,200円(全席指定)。