BankART 1929(横浜市中区本町6、TEL:045-663-2812)で3月22日、横浜の写真を一般から広く集め、共有するウェブサイト「みんなでつくる横濱写真アルバム-市民が記録した150 年-」の記念シンポジウムが開催される。
テーマは「街の歴史の再発見と次代への継承」。市民や企業が持っている写真をインターネットを通じて収集し、地域の歴史を共有財産としていくことの価値や、地域の人たちのつながりづくりについて意見を交わす。
シンポジウムを主催する横浜写真アーカイブ実行委員会は、3月から横浜開港150周年記念事業として市民から横浜の150年を記録した写真を集める同ウェブサイトを運営している。
実行委員会委員長の小此木歌藏さん、「開国博Y150」への市民参加を推進する「Y150市民参加プラットホーム推進委員会」委員長の山崎洋子さん、横浜市開港150周年・創造都市事業本部長の川口良一さんの挨拶に続き、ノンフィクション作家の佐野眞一さんが「記録されたものしか記憶されない―庶民の暮らしを撮った民俗学者・宮本常一の足跡と業績ー」をテーマに基調講演を行う。
同ウェブサイトの概要を、同実行委員会企画部会委員の和田昌樹さんから、また市民参加型の写真アーカイブの先進事例として港南区の「貞昌院」副住職で、寺院のウェブサイトを構え、港南エリアの郷土史のデジタルアーカイブ化に取り組む亀野哲也さん、開港都市の1920年代から戦後のモダンボーイ・モダンガールを写した写真を集める「横濱モボ・モガを探せ!プロジェクト」に取り組むBankART 1929の渡邉曜さんが活動報告を行う。
他都市のデジタルアーカイブの事例報告に、函館から「函館マルチメディア推進協議会」会長の川嶋稔夫さん、沖縄で写真スライドショーイベント「琉球フォトセッション」を企画運営する「ちゅらしまフォトミュージアム」の代表・垂見健吾氏さん、山梨県の山中湖情報創造館を運営する「地域資料デジタル化研究会」副理事長の丸山高弘さんらがパネリストとして登壇する。
和田昌樹さんは「権威のある博物館、美術館が集める写真だけが価値を持つのではなく、普段の何気ない暮らしの中で写した写真にも、文化・伝統が息づいている。1枚の写真がいかに歴史を捉え、支えているのか、ぜひこのシンポジウムで感じ取って欲しい」と話す。
開催時間は13時~17時。会場はBankART1929 yokohama3階、入場無料。同シンポジウムの前に11時30分から事業に関心のある人向けた事業説明会を行う。会場には、デジタル化したい写真を持ち込むと、その場でデータ化(スキャニング)できるコーナーを設ける。