昨年10月に閉店した横浜松坂屋の建物を利用し6月2日、期間限定のインフォメーションセンター「伊勢佐木町観光案内デスク」(横浜市中区伊勢佐木町1)がオープンした。
同施設は、横浜観光コンベンション・ビューローと横浜市が、開国博Y150「マザーポートエリア」として活性化に取り組んでいる都心部(横浜駅からみなとみらい21地区、桜木町、伊勢佐木町、中華街・元町までのエリア)の回遊性を高めるため、9月27日までの期間限定で設置した。
街のシンボルともいえる松坂屋が再開したと思う人も多く、床を踏みしめるように歩きながら建物自体を懐かしむ人、同案内所が9月まで開店していることを知り安心する姿や、中には涙ぐむ元店員など、オープン以来連日「松坂屋の建物だけでもぜひ残してほしい」などの市民の熱い声が届いているという。
観光案内デスクは、横浜松坂屋1階正面玄関付近の約140平方メートルを活用し、観光案内スタッフが常駐して「開国博Y150」やイセザキモールの店舗情報や提供・周辺の観光案内などを行っている。
入口には人気アーティスト「ゆず」のサインと写真入りの看板が新調され、室内には無料配布のイセザキ・モールのマップ、開国博Y150のパンフレット、たねまるマップなどをそろえるほか、伊勢佐木町の歴史を記録した「横濱開港新聞」(神奈川新聞発行)を展示している。
観光案内デスクのスタッフは「案内所にいらした方々とお互いに会話を通して、Y150のことや地元話などさまざまな情報交換と発信をしています。ぜひスタッフに気軽に声を掛けてほしい」と話す。
横浜松坂屋は1864年に野澤屋呉服店として中区弁天通りに創業。その後、1910年に現在の伊勢佐木町に百貨店としてオープンし、長らくイセザキモールの象徴的な商業施設として親しまれてきた。人気デュオ「ゆず」が店の前で路上ライブ活動をしていたことでも知られ、2003年のNHK紅白歌合戦出場時は、店舗前より生中継を行った。横浜最古の百貨店に相応しい風情あるアールデコ調の建物は、2004年に横浜市が認定する「横浜歴史的建造物」にも選ばれている。
「伊勢佐木町観光案内デスク」の開店は11時~18時、9月27日まで。無休。