開港150周年を契機に開設された、横浜の地域SNSやイベント情報ポータルサイトなど、「地域情報基盤」の今後の運営のあり方を考えるフォーラム「市民の創造力をつなぐ情報プラットホームを考える」が8月1日、BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で開催される。
当日は、総務省で地域SNS振興施策を展開し、現在出向先の兵庫県でも職員の先頭に立って地域SNS活用を推進する同県企画県民部長の牧慎太郎さんを招き、情報コミュニケーション技術(ICT)を活用した地域活性化や運営主体のあり方について議論を展開する。
地域SNS「ハマッち!」は、横浜市内各地で多彩なイベントを展開する市民・団体同士のつながりづくりを目指し、2007年3月にスタート。現在2,800人以上が参加している。また、「市民でつくるイベントナビ」は、開国博Y150にかかわる情報の発信を目的に2009年4月に開設され、団体・個人発のきめ細かいイベントやブログ記事がカテゴリーごとに検索可能になっている。
これら2つの「地域情報基盤」はいずれも、横浜市からの補助金などで運営されてきたが、開国博Y150の終了後は財源の手当てがなくなる。今回のフォーラムは、地域にこうした情報コミュニケーションの基盤が存在する意義を確認し、この2つの仕組みの今後のあり方を議論するため企画された。
同フォーラムでは、同じ地域に暮らしながら、これまでつながることのなかった市民のコミュニケーションを深める場として活用されてきたこれらの情報プラットホームの意義と、今後の事業のあり方を市民と共に考える。
当日は、「ハマっち!」の運営主体で、このフォーラムを主催するY150市民参加プラットホーム推進委員会山崎洋子さんのあいさつに続き、小川巧記さん(開国博Y150総合プロデューサー)が、市民が主体的にかかわるイベントの重要性について講演。さらに、牧慎太郎さんが、兵庫県での地域SNS活用の目的と実践・広がりについて解説する。このほか、庄司昌彦さん(国際大学GLOCOM講師/主任研究員)が「地域情報プラットホームがコミュニティに与える影響」を全国の事例を交えて紹介する。
また、後半のパネルディスカッションでは、牧さん、小川さん、庄司さんに加え、ハマッち!の仕組みを提供しているインフォミーム代表取締役の和崎宏さん(兵庫県地域SNS「ひょこむ」主宰)らが「市民の創造力をつなぐ情報プラットホーム」をテーマに議論する。今後の情報プラットホームが、市民の創造力の向上とどのようにつながるかを意見交換する。
地域SNSの研究に取り組む庄司昌彦さんは「自発的な市民活動を支えるプラットホームは、それ自体を市民が支えるものにできれば本当に意義深いでしょう。このイベントがその大きな目標に向けたはずみとなることを期待しています」と話している。
開催時間は12時半~17時。入場料は無料(交流会飲食は実費)。