古典芸能の普及を目指す横浜能楽堂(横浜市西区紅葉ヶ丘27、TEL 045-263-3055)で8月3日、子ども向け能・狂言の特別普及公演「夏休み夢舞台」が上演される。
「夏休み夢舞台」は、2000年に親子能楽体験教室をスタートした同施設が、感性豊かな子どもたちに伝統芸能の一流芸を楽しんでもらいたいと企画したもの。2003年より毎年行っている夏の子供向けプログラムで、現代の能楽界を代表する人間国宝の名人ら4人がそろい、迫力ある演目を上演する。
狂言は、武家式楽の伝統を継承する大蔵流の「蚊相撲(かずもう)」。人間に変装した相撲取りを名乗る「蚊の精」と大名の相撲対抗を面白く描いた大名狂言で、シテ(大名)を務めるのは、2006年に日本芸術院賞を受賞した山本東次郎さん。
能は、天下泰平、皇帝の長寿を讃えるために、鶴と亀が舞うおめでたい曲「鶴亀」。出演するのは、シテ(皇帝)役の宝生流の重鎮・近藤乾之助さん、人間国宝の宝生閑(かん)さん、笛方一噌流(いっそうりゅう)宗家の一噌庸二さんら。
同舞台の関連事業として7月28日に開催された「こども能楽体験教室」には、26人の子どもたちが参加し、「笛」「小鼓」「大鼓」「太鼓」4つの楽器を体験。会場では、白足袋を着用した子どもたちが正座し、真剣な眼差しで楽器や演奏の説明に聞き入る姿が見られ、体験後は「始めは笛の音を出すのが難しかったけれど、先生の指導でいい音が出せて嬉しかった」「太鼓をもっとたくさん打ちたかった」「鼓を打つのはこわかったけれど、やってみると大丈夫だった」などの声が寄せられたという。
横浜能楽堂の竹田暁美さんは「横浜能楽堂では、子育て中のお母さんも一時保育付きでゆっくり楽しめる『ブランチ能』や『こども狂言会ワークショップ』など、多くの方に気軽に古典芸能に親しんでもらえるよう、さまざまな普及公演・活動を行っています。ぜひ一度足をお運びください」と話している。
上演時間は14時。チケットは高校生以下S席=4,000円、A席=3,500円、B席=3,000円(同伴する保護者は子どもと同数まで同一料金)、一般S席=8,000円、A席=7,000円、B席6,000円。