横浜市中区の寿町で11月21日、まち歩きやグループワークなどの体験学習を通じて、日雇い労働者の町として知られる寿町の成り立ちや歴史、人々の暮らしや課題について考える「寿実践講座2009 寿の街から考える-子ども・貧困・地域再生」が開催される。
「寿実践講座2009」は、1985年に当時の大学生らによる「ほんやらどう・寿青年連絡会議」が実施した寿町のまち歩き実践講座を、20年ぶりに行うもの。寿の街に居場所を求めて集まる子どもたちとの関わりをテーマに、社会に発生している「新しい貧困」について考え、横浜を「温もりのある街」へと再生していくための地域活動のあり方を探る。
当日は2部構成で、午前の部では、寿の町案内「歩いて知る寿」、体験学習パート1「グループワークを通じて寿の町を体感する」を実施。午後の部では、町で活動する人たちによる「温もりある町-寿からの実践報告」、体験学習パート2「ことぶき学童保育、青少年広場での体験」、「体験学習の振り返り」を行う。寿町の中にあるさまざまな居場所などを実際に訪れ、貧困問題や寿町の子どもたちの生活を体感する。
開催時間は、午前の部=9時~12時、午後の部=12時30分~17時30分。募集参加人数は30人。参加無料。
また当日は、かながわ労働プラザ(中区寿町1)多目的ホールBで、子どもたちの抱える困難さについて考えるシンポジウム「いま、困難を抱える子どもたち-現場からの目線で-」も合わせて開催。
元横浜市副市長で「横浜市国際交流協会」理事長の前田正子さん、社会福祉法人「杜の会理事長」の師康晴さん、南高校校長の近藤昭一さん、地域活動拠点「ことぶき青少年広場」コーディネーターの石井淳一さん、法政大学教授の平塚真樹さんが参加し、困難を抱えている子どもたちが置かれている状況や経緯を現場目線で考え、安心して過ごせる居場所づくりについて参加者と共に話し合う。
開催時間は18時~20時30分。募集参加人数は200人。参加無料。
寿実践講座2009実行委員会の担当者は「寿地区は、たとえ高齢であっても、障がいを持っていても、アルコール依存症者であったとしても、また外国人でも暖かく受け入れてくれる温もりのある街。私たちも学生時代にこの街でさまざまな人たちと出会い、世の中を渡っていくうえで、どれだけ多くの事を教えられたか分かりません。若者たちにこの講座に参加してもらえれば、自分の人生を切り開いていく上での何かしらのヒントが見つかるのではないかと思います」と話している。
寿実践講座とシンポジウムの参加申込はいずれも、横浜市こども青少年局青少年育成課(メール kd-ikusei@city.yokohama.jp、FAX 045-663-1926)まで。