NGO・NPOへの募金のポータルサイト「イーココロ!」を運営するユナイテッドピープル(横浜市中区本町1)代表の関根健次さんが、「ユナイテッドピープル『クリックから世界を変える』33歳社会起業家の挑戦」(1,512円、ナナロク社)を12月25日に出版した。
同書は、学生時代に世界各国を旅した関根さんが、パレスチナ・ガザ地区を訪れた際に「爆弾をつくるのが夢」と語った少年から受けた衝撃から始まる。その後、食品関連企業やIT企業に勤めつつ、心にひっかかっていた「平和をつくるために何ができるか」という問いに向き合えずに悩んだ日々や、過労で倒れて死を意識し「戦争・紛争など、世界のさまざまな課題を解決するために人生を懸けたい」と起業を決意した瞬間などが描かれている。
ユナイテッドピープル社は、2004年8月に1クリックにつき1円を無料で募金できる仕組み「イーココロ!」クリック募金を開始。これは、ホームページを訪れた利用者が、募金を受けつけるページに設置されているボタンをクリックして、スポンサーのサイトにアクセスするだけで、NGOやNPOに1円の募金ができる仕組み。募金は難民支援、環境保全、子ども支援などの世界のさまざまな問題解決に取り組む100を超える団体に寄付されている。
同社は2008年に、オンライン署名サイト「署名TV」を開始したほか、Yahoo! JAPANと業務連携し「Yahoo!ボランティア」でもクリック募金を開始。今年8月には、世界の現状や社会課題を多くの人に伝えることを目的に映画配給事業をスタート。バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGO「エクマットラ」が制作した映画「アリ地獄のような街」を国内で配給している。
関根さんは「転職を繰り返しながら、たどり着いた本当にやりたいことは『戦争・紛争を解決したい』ということでした。この本は僕の10年間の記録です。特にこれから社会人になる若者や新社会人、やりたいことを探している人。やりたいことが見つかったけど、一歩がまだ踏み出せないという人に読んでほしい。『勇気の出る本』になるよう心を込めて書きました」と話している。