横浜美術館開館20周年記念展「束芋:断面の世代」が、横浜美術館(西区みなとみらい3) で開催されている。
現代美術家・束芋さんは、2001年の第1回横浜トリエンナーレで最年少の作家として出品。以後、2002年にサンパウロ・ビエンナーレ、2006年にシドニー・ビエンナーレ、2007年にヴェネチア・ビエンナーレなど数々の国際展やグループ展に出品を続け、日本を代表する現代美術家の一人として注目を集めている。
同展のテーマは「30代半ばを迎える束芋の自らの世代感と世界観」。すべて新作の映像インスタレーション5作品《団地層》、《油断髪》、《団断》、《ちぎれちぎれ》、《BLOW》のほか、吉田修一さんの新聞小説『悪人』の挿絵原画も初めて全点公開・展示されている。
束芋さんにとって「かつてない規模の個展」ということでも話題となっている同展。美術館の企画展示室だけではなく、グランドギャラリーにも大規模な映像インスタレーション作品が展示されており、見応えのある内容となっている。
横浜美術館広報担当の庄司尚子さんは「今回の展覧会では、美術館に一歩足を踏み入れたところから束芋ワールド。映像というと、スクリーンやモニターに映し出されたイメージをただ見るという印象がありますが、束芋さんの作品は、つくりこまれた空間の中に鑑賞者が入ることで、映像にすっぽりと包み込まれるような感覚を味わうことができます。会場で是非体験していただきたいと思います」と話している。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで、木曜日休館、2月11日は開館)。入場料は一般1,100円、大学・高校生700円、中学生400円、小学生以下無料。開催は3月3日まで。
関連イベントとして、1月16日~17日「同展着想の原点となったWANDERING PARTYによる演劇公演『total eclips-トータル・エクリプス-』」、1月30日「講演会『束芋の世界を横断する』」、2月7日・13日・20日「学芸員によるミニ・レクチャー」など予定されている。