横浜市中央図書館(横浜市西区老松町1)で、「法情報コーナー」の開設1周年を記念した連続講座「暮らしを守る法律」が開催されている。
同事業は、地域が抱えるさまざまな課題に対する支援を行うプロジェクト「図書館海援隊」の一環として行われ、講座では日頃から市民の相談などを行っている専門家が、財産管理や悪質商法、多重債務など、市民をとりまく身近な法律について分かりやすく解説する。
講座は3回シリーズで、2月21日に行われた第1回目「教えて!老後設計。~人生の上手なたたみ方講座~」では、遺言・介護・病気・成年後見・生前贈与・相続など、人生の法にまつわるさまざまな疑問と対処法を紹介。多くの参加者が集まり、講座後に実施したアンケートには「図書館でこのような取り組みを行っているとは知らなかった。ぜひまた開催してほしい」など、喜びの声が寄せられたという。
第2回目は3月6日、第3回目は3月20日に開催。
2回目は「歌って、学ぼう 悪質商法撃退講座」と題し、消費生活相談員の伊藤恵美子さん(横浜市消費生活総合センター)が、「太陽光発電システムを設置すれば電気料金が安くなる」などの甘い言葉、強引な勧誘から身を守る対処法を歌を用いながらわかり易く紹介する。講座終了後には、横浜市消費生活総合センター職員による出前相談会を実施。
3回目は司法書士の稲村厚さん(法テラス副所長、NPOワンデーポート理事長)を講師に迎え、テーマ「多重債務の隠れた問題~ギャンブリングへの のめりこみを考える~」のもと、社会問題化しているギャンブリングへの依存をとりあげ、多重債務とギャンブリングの相関関係を解説しながら再発防止をとく。
法情報コーナーは2008年12月、生活上の法律に関わる「課題解決型サービス」として、横浜市中央図書館の4階に開設された。多重債務・悪質商法被害・離婚をはじめ、さまざまなテーマの「一般向け法律相談書」や主要な法令の小六法、逐条解説書など、法律の基本書の最新版を備える。
横浜市中央図書館、調査資料課調査係の鳥丸瑞恵さんは「6日は身近な問題でありながら気づきにくい、見過ごしがちな事例を取り上げます。当日は言葉の説明とともに、実際に肌で感じる体験を通して身を守る対処法を学びます」と話している。
定員は各回50人(先着順)。開催時間は6日=13時30分~16時(15時から相談会)。20日=13時30分~15時30分。問い合わせは横浜市中央図書館(TEL 045-262-7338)まで。会場は5階・第1会議室。参加無料。
図書館海援隊は、文部科学省の呼びかけに応じ、全国の有志の公立図書館が結成した支援プロジェクト。市民と地域のさまざまな問題解決を目的とし、貧困・困窮者問題支援を皮切りにハローワークなどの関係部局と連携しながら、労働・生活に関するトラブル、心の問題、自己啓発などに向けた相談会、講演会、セミナーなどを行っている。