NGO・NPOへの募金のポータルサイト「イーココロ!」の運営や映画配給を通じて世界の問題解決に取り組むユナイテッドピープル(横浜市中区山下町74)によるチェンジメーカー育成を目的とした旅のプロジェクト「BADO!」の発表会が3月3日、横浜市開港記念会館(中区本町1)で行われた。
「BADO!」(Borderless Action and Documentary)は、世界を旅する若者が旅先での出来事や感じたことを、動画を用いてリアルタイムに世界に伝え、旅を通して成長し、若者が世界を変える「チェンジメーカー」になることを応援する旅の大学プロジェクト。
当日は、同プロジェクトの本格的始動に伴い、「BADO!」の概要説明後、旅のプレゼンテーション、世界一周の旅に出る奨学生の発表が行われた。
プレゼンテーションでは、テーマ「旅が人生を、世界を変える。」のもと、ユナイテッドピープル代表の関根健次さんが「紛争地、ガザ地区での少年との出会い」、法政大学社会学部4年の大熊織雄さんが「世界一周7カ月の旅を終えて」、RCF代表取締役社長の藤沢烈さんが「脱国境のススメ」と題し、それぞれの旅先での経験や思いを語った。
移動の友は本と落語だったと振り返るトライアルバドラー(0期生)の大熊さんは「自分の目、耳、鼻で実際に感じたかった。アメリカ、スイス、ケニアなど22カ国を旅した。7カ月すべてが思い出で『良かったこと、悪かったことだけじゃない』。これから政治の世界を目指したい」とコメント。
「BADO!」サイトオープニング企画として実施した、世界一周の旅に出たい「BADO!世界一周バドラー奨学生」には、ちゅんたりさん(HRインスティテュート賞)、Tomy★Girlさん(dpMAX賞)、だいちゃん(ユナイテッドピープル賞)の3人が選ばれ、各スポンサーより審査の講評が行われた。
奨学生には世界一周の旅サポート代金30万円と2週間短期語学留学が寄与され、彼らの旅は今後、サイト「旅の大学 BADO!」で公開される。
「企画書づくりに見ず知らずの人がたくさん関わってくれた」と話すちゅんたりさんは「応募に向けて主にツイッターを使って応援をお願いし、ほとんど寝ずに企画書を作った。ソーシャルメディアの力をリアルに感じた」。また、将来バングラデッシュでIT事業を立ち上げたいと語るだいちゃんは「受賞以上に、今回のバドラー応募を通して多くの共感を集める機会をいただけたことに感謝している」と喜びを表した。
今後はツイッターを活用しながら支援者と旅人をつなぐコミュニティの仕組みを同サイト上で強化していく予定。今回バドラーとして旅立つ3人の反響や状況により、2回目の「BADO!」キャンペーン企画が左右される。
関根さんは「BADO!」について「旅するジャーナリストが『バドラー』という職業で世界中で活躍できる、通信社と呼ばれるところまで成長させたい。事業として将来的にきちんとした教育プログラムにできれば」と抱負を語った。
プロジェクトでは、バドラーと呼ばれる旅人が小型ビデオカメラを用いて旅先から動画をネット配信することで、旅費のカンパをサポーターから募ったり、現地の人から支援を受けられる。また、同社の募金サイト「イーココロ!」と連動し、世界の問題解決に取り組む NGO・NPOをバドラーが動画でレポートすることで、サポーターが現地団体に寄付ができるシステムになっている。