横浜市こども青少年局は関内ホール(横浜市中区住吉町4)で3月11日、「第2回 思春期問題シンポジウム」を開催する。
シンポジウムでは「思春期に向き合えない若者たち~大人たちが今できることを考える~」と題し、基調講演やパネルディスカッション、質疑応答を通して、「無縁社会」の中で思春期に向き合えない子どもたちを考え、彼らのために大人たちが今できることを探る。
基調講演「『つながる』が苦手な若者たちへの処方箋~大人たちが今できることを考える~」では、エイズ予防や性教育の普及啓発に取り組んできた公衆衛生医師の岩室紳也さん(地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター・センター長)が、実証データに基づき、インターネット普及などの社会の変化と若者のコミュニケーション力の希薄化について解き明かす。
パネルディスカッションには、安部敏子さん(神奈川県警察本部生活安全部少年育成課少年相談・保護センター副所長)、椛澤一彦さん(横浜市立戸塚高等学校 定時制教員)、林田育美さん(都筑多文化・青少年交流プラザ館長)、水澤都加佐さん(特定非営利活動法人 アスク副代表、ヒーリング&リカバリーインスティチュート水澤都加佐カウンセリングオフィス所長)が登壇し、岩室さんがコーディネーターを勤める。
主催する横浜市こども青少年局青少年育成課の関口昌幸さんは「当日は、無縁社会の中で、人と人との『つながり』を失うリスク、すなわち思春期と向き合い、さまざまな他者と豊かな関係性を築くチャンスを失ってしまうことが、全ての子どもたちを取り巻く共通のリスクであるという事を、豊富な事例と統計データで明らかにします。そして、『無縁社会』を乗り越え、人と人との『つながり』を大切にする『温もりある社会』を築いていくためのあり方を考えます」と話す。
また、関口さんは無縁社会について「横浜でも『無縁社会』は現実のものとなりつつあります。超少子・高齢化の影響で中高年の単身者や高齢で子どもの居ない夫婦が増え、2000年以降、一人暮らしや二人暮らしの市民が全世帯の過半数を超えるようになっています。そして、『自分の病気や老後』、『家族の健康や生活上の問題』などの多岐に渡る生活不安の背景には、いざという時に頼れる親族や友人・近所の人など、親密な『つながり』が希薄になっていることも大きな要因ではないかと市民生活白書は分析しています」とも。
対象者は、保護者や青少年育成に関わる人。定員は200人(先着順)。開催時間は14時~16時30分。会場は関内ホール・小ホール。参加無料(当日参加可能)。問い合わせは横浜市こども青少年局青少年育成課(TEL 045-671-2325)まで。