象の鼻パーク内の「象の鼻テラス」(横浜市中区海岸通1)で3月13日、都市デザインセミナー「横浜・象の鼻パークの計画・設計プロセス」が開催される。
象の鼻パークは「横浜の歴史と未来をつなぐ象徴的な空間~時の港~」という理念のもと整備された空間。設計者は、開港100周年(1959年)以降に生まれた若手建築家からの応募を審査し、横浜市在住で小泉アトリエ代表の小泉雅生さんが選ばれた。
同セミナーでは、「象の鼻パーク」の現場見学を行った後、パーク内の多目的レストハウス「象の鼻テラス」で、設計者の小泉さんから設計について、横浜市担当者より政策面からの計画説明を受け、都市デザインと設計を考える。主催は建築学会神奈川支所。
セミナーの講師は、小泉さん(建築家・首都大学東京准教授)のほか、北村圭一さん(横浜市港湾局港湾整備部技術担当部長)、秋元康幸さん(横浜市開港150周年・創造都市事業本部担当部長)。国吉直行さん(建築学会神奈川支所:横浜市立大学特別契約教授、横浜市都市デザイン室)が進行を務める。
小泉さんは同パークの提案について「横浜の原点を示すように、復元された象の鼻防波堤を取り囲み、大きなサークル状にスクリーンパネルと呼ばれる壁柱を配しました。セミナーでは、新たな歴史が積み重ねられた象の鼻地区の魅力を考えていきたい」と話している。
開催時間は、現場見学=16時~17時(受付15時30分~)、講演=17時15分~18時45分。定員80人。参加費1,000円(学生500円)。問い合わせは日本建築学会関東支部神奈川支所(TEL 045-201-1284)まで。
「象の鼻地区」は、大さん橋国際客船ターミナルのつけねからのびる防波堤の周辺地区で、みなとみらい21地区から山下公園を結ぶ水際線と日本大通りや大さん橋との接点となるエリア。面積は約4ヘクタール。防波堤を上から見ると象の鼻に似ていることから名付けられた。
敷地内には、展示機能を備えた多目的レストハウス「象の鼻テラス」、野外ステージを併設した解放的な「開港の丘」、日本大通りから港を見渡せる「開港波止場」、横浜港が目の前に広がる「象の鼻防波堤」、昼はモニュメント、夜は夜景を演出する「スクリーンパネル」を設置。工事中に発見された、明治時代の貨物線の軌道を変えるターンテーブルの遺構や開港初期の石積み防波堤の跡などを見ることができる。
横浜市の水際線空間は、長年の都市デザインの取り組みにより、みなとみらい臨港パーク、日本丸パーク、汽車道、赤レンガパーク、大桟橋国際客船ターミナル、山下公園、山手地区と続くプロムナード空間を形成している。この水際線の軸に直交する日本大通りとの交点の位置に2009年6月、横浜港開港150周年を記念して横浜港開港の地「象の鼻地区」に「象の鼻パーク」が完成した。