帆船日本丸・横浜みなと博物館(横浜市西区みなとみらい2、TEL 045-221-0280)で、客船のインテリアを紹介する「豪華客船インテリア画展」が開催されている。
同展は、日本客船の黄金時代といわれる1930年代に横浜でつくられた豪華客船のインテリア画(室内完成予想画)約100点を紹介するもの。会期中は、横浜船渠(よこはませんきょ、現在の三菱重工業・原動機事業本部横浜製作所)で建造された戦前の北米航路豪華客船「秩父丸」、「氷川丸」、「日枝丸」の室内完成予想画のほか、現在のクルーズ客船「飛鳥II」や「にっぽん丸」、「クイーン・メリー2」 のインテリア画も展示する。
作品は、フランスの設計・施工家マルク・シモンさんによる日本郵船のサンフランシスコ航路客船「秩父丸」のアール・デコ様式の1等食堂やシアトル航路客船「氷川丸」の1等社交室。イギリスのヒートン・タブ社設計の氷川丸の姉妹船「日枝丸」の読書室、現代日本様式というスタイルを創造した建築家・中村順平さんによる欧州航路用に建造された「新田丸」の1等カフェおよびダンシングスペースなど。
3月22日は、記念講演会「客船のインテリア-建築と工芸の粋を示す『浮かぶ宮殿』」を開催。海上を移動する客船という制約のなかで、最高の技術と芸術を尽くしたインテリアについて、建築史の専門家・吉田鋼市さん(横浜国立大学大学院教授)が語る。開催時間は14時~16時。会場は横浜みなと博物館隣りの「日本丸訓練センター」(西区みなとみらい2)。定員100人、参加費500円(申込多数の場合は抽選)。応募締切は3月14日。問い合わせは帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体(TEL 045-221-0280)まで。
帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体広報担当の島宗美知子さんは「昭和初期のインテリア画は、手描きの温かさが伝わるものばかり。カラーなので往時の豪華客船の素晴らしさをイメージいただけると思います」と話している。
開館時間は10時~17時(月曜日休館、祝日の場合は翌日休館)。会場は横浜みなと博物館・特別展示室。特別展示入館料は高校生以上=200円、小中学生・65 歳以上=100円。土曜日は高校生以下無料。「豪華客船インテリア画展」は4月11日まで。
客船は第二次世界大戦前、旅客輸送の主役で「動くホテル」とも呼ばれていた。船会社は集客に向けて豪華な客船を建造し、船内インテリアは室内装飾会社や建築家、工芸家などの協力により、船客の嗜好や時代の流行を取り入れて、最高水準のものがつくられていた。