横浜を拠点に活動するクリエイティブデュオ「NOGAN(ノガン)」は5月1日、黄金町のカフェ「Lcamp」(横浜市中区初音町1)に土曜日限定のおでん屋「NOGANのおでん」を開店した。
ノガンは、横浜市在住で東京造形大学出身の茂木隆宏さんと浅野宏治さんによる企画・デザインのユニットで、今年4月に活動を開始。これまで「36.7℃」という名称で、BankART studio NYKや北仲WHITEなどで活動してきた。
おでん屋は、これまで同ユニットが取り組んできた、物づくりや建築から、それらが集まった「街」へと視野を広げ、地場産の食材を用いた「おでん」をコミュニケーションツールとし、地元の良さや特色を多くの人に発信していくことが狙い。
カフェ「Lcamp」は、2009年2月より黄金町で活動している小田桐奨さんと中嶋哲矢によるカフェユニット「L PACK」による、コーヒーを媒体とした人との出会いやコミュニケーションの拠点。アートによる街の活性化に取り組む「黄金町エリアマネジメントセンター」が運営するスタジオ「初音スタジオ」内にある。現在、長野県松本市で創作活動を行っており、1日店長を募集。応募したノガンが5月の土曜日におでん屋を開店することとなった。
10cmほど厚みのある大根や、野毛千歳屋の豆腐、近くの農家でとれた有機野菜など横浜の食材を使用したおでんメニューはすべて1品100円。農家の人から料理のアドバイスをもらったほか、2人の故郷の群馬や香川のおでん文化を参考にしてレシピをつくったという。横浜で採れたハチミツを使ったビール「ハッチー」や横浜開港当時の味を再現したビール「ペルリ」、高知の日本酒、北海道の焼酎のほかカクテルや果実酒などの飲み物は500円で提供している。
ノガンの茂木さんは「仕事では顔を会わさずにインターネットのコミュニケーションで済んでしまうことも多いが、この企画ではリアルに人が対面する『ライブ感』を体験できる場を作ってみたかった」と話している。
また、浅野さんは「料理の素材集めや魅力的な見せ方づくり、段取りなどの作業は、企画・デザインの仕事と通じるものがあると考えています。今回のおでん屋の営業もまちづくりも基本的なところで通じていると思うのです」と話す。
営業は、5月の毎週土曜日、営業時間は11時~22時。