横浜市長公舎（横浜市西区老松町2）で5月22日、中国の人気タレント「陳坤（チェン・クン）」さんの横浜友好観光大使任命式が行われた。

　横浜市は今年度、5月1日に始まった「上海万博」日本産業館への出展や10月の羽田空港国際化を契機に、著しい経済成長で富裕層が増加している中国からの観光客誘致に力を入れている。

　チェン・クンさんは、映画やドラマ作品への主演や音楽活動・CM出演など、中国で俳優や歌手として第一線で活躍している人気タレント。日本では映画「小さな中国のお針子」やテレビドラマ「雨のシンフォニー」「さよならバンクーバー」「華の家族」などの主演作で知られる。北京電影学院出身。横浜の誘客のターゲットの富裕層と旅行中消費額が高い20～40代の女性OL層に向けて最も効果的なタレントを調査した結果、中国国内の知名度が高いチェンさんが選ばれたという。

　就任式では、林文子横浜市長からチェンさんに「横浜友好観光大使」任命状、横浜を代表する横濱増田窯の絵皿、横浜友好観光大使の名刺が贈られた。当日は中国のテレビ局や新聞社も取材に駆け付け、「中国では個人観光ビザも解禁され旅行を楽しみやすくなったが、横浜市ではどのような準備をしているのか」、「有名な映画スターのチェンさんと横浜の魅力をどのように融合させて観光PRしていくのか」など、今後の横浜市の展開に注目が集まった。

　チェンさんは「横浜は大好きな町で、今回横浜友好観光大使に任命されて光栄です。横浜の魅力を伝えること、そして、自身が横浜を知ることが大切な義務であると感じています。任命証と一緒に名刺も作っていただき大変うれしい。さっそく中国で皆に配りたいと思います」と喜びを表した。

　また、「横浜は長い歴史をもつまち。中国人も横浜の美しい景色や食事を楽しみながら横浜市民の温かい気持ちをいただき、横浜を好きになると思います。これまで成田空港経由で遊びに来ていましたが、昨日初めて羽田空港を利用し、交通の便の良さに驚きました。これなら週末を利用して気軽に横浜に足を運べますね」とも。

　林市長は「チェンさんはご覧の通り、とても謙虚で優しく優秀な方。小さい頃から苦労されている努力家で、人の気持ちを理解できる素晴らしい方だと思います。ぜひ横浜の魅力を中国の方に広く伝えてほしい」と期待を寄せた。

　大使の就任期間は3年間で、チェンさんは今年度「横浜旅行を特集した中国国内のテレビ番組への出演」や「横浜友好観光大使の名刺の使用」など、中国での横浜の観光PRを行う予定。