消費者投票による世界的なレストラン評価ガイド「ZAGAT SURVEY(ザガットサーベイ)2011 東京/横浜のレストラン」が今年の10月下旬に創刊されることになり、現在、専用サイトでオンライン投票を受け付けている。
「ザガットサーベイ」は1979年にアメリカ・ニューヨークで誕生。実際に施設を利用した消費者の投票を統計処理して評価を掲載するため「最も信頼性の高いレジャーガイド」として知られ、現在、全米を中心に、ロンドン、パリ、トロント、北京など世界89都市をカバーしている。
今回、ザガットサーベイと横浜市は連携して投票参加促進を図り、「ザガット2011 東京/横浜のレストラン」の横浜エリア掲載店舗数を既存の50件から150件以上へ3倍程度増やすことを目指す「ザガットY151(横浜3倍)プロジェクト」に取り組む。
5月26日に行われた「ザガット記者会見」で、ザガット日本語版の発行元「CHINTAI」(東京都港区)ザガット事業室室長の高田明彦さんは、昨年初めて大都市圏以外で刊行した長野版について「長野県で、実際に市民が利用して評価された施設をしっかり県外にアピールしていきたいという思いがあり、市民参加型の地域活性化という官民連携のプロジェクトとして実施した」と話した。
高田さんは、横浜に多くの魅力ある食文化が埋もれている可能性を感じ、3年前から同誌の中で「including Yokohama(インクルーディングヨコハマ)」として取り上げてきたと語る。今回の横浜市との連携については、「横浜市は市民参加を市政に掲げている特長があり、市民が投票に参加して施設を評価していくというザガットの理念が合致した。市と一緒に横浜を活性化できればいいですね」とコメント。
横浜市が後援・支援するメリットについて横浜市共創推進事業本部共創推進課シニアプロジェクトマネージャーの橋本徹さんは「横浜市には、ホテル、観光、食などの地域の資源があるが、東京に比べるとまだまだ知られていない部分がある。それをさまざまな手段で発信することが行政の担う役割。そのひとつとして、世界的に信用度のあるガイドブックへの掲載が挙げられる。地域の資源を掘起し、地域経済の活性化や今後の国際プロモーション、観光PRにつながる可能性を感じ、協力させていただいている」と話した。
投票は誰でも参加することができ、インターネットの投票サイト上に掲載されているリストから過去1年間に実際に利用した施設を選択し、料理・内装・サービスについて0~3点の4段階評価、1人あたりの平均ディナー単価・おすすめのメニュー・お店へのコメントを自由に記入して投票する。投票終了までは何度でもログインでき、投票内容の追加・修正が可能。アンケート対象店数は1,597店(うち横浜エリア225店、ラーメン店は除く)。
横浜市都市経営局報道担当課長の清水克彦さんは「370万人近い人口を抱える横浜ですが、横浜の人に地元のお店をもっと知ってもらいたい。来街者だけではなく、横浜市民が自ら投票し、皆さんが投票したお店にまた足を運んでいただくことが横浜市内の地域活性化になるのではないか」と参加を呼び掛けている。
投票に参加すると、特典として、「ザガット2011 東京/横浜のレストラン」完成本が1冊進呈されるほか、「ヨコハマ・グッズ001」認定品の横浜の地ビールセットまたはアートラベルワインが抽選で50人にプレゼントされる。また、「ウィットに富み、鋭い視点」で選ぶ「優秀コメントコンテスト」も実施する。
投票は6月13日まで受け付ける。
「CHINTAI」は、1999年のレストランサーベイ(調査)の実施以来、「東京のレストラン」10版、「大阪・神戸・京都のレストラン」6版を刊行。昨年刊行された「長野レストラン&ホテル」には、新たな試みとして評価対象に宿泊施設が加わっている。