「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3)は6月5日より、作品「ディア・ドクター」で第31回ヨコハマ映画祭のグランプリを獲得した西川美和監督の特集上映「私が助監督だったころ」をスタートする。
「私が助監督だったころ」シリーズは、新進気鋭の監督たちが監督デビューまでの道のりを語る、同映画館とヨコハマ映画祭のコラボレーション企画。今回は第1弾として「vol.1~西川美和が見た是枝裕和監督の現場~」と題し、西川監督のデビュー作品を含む5作品を紹介する。
上映作品は、当時フリーの西川さんがスタッフとして参加した「ワンダフルライフ」(1999年)、西川さんの初監督作「蛇イチゴ」(2003年)、対照的な兄弟の心の奥底にある愛と憎しみを丹念に描いた心理ドラマ「ゆれる」(2006年)、明治の文豪・夏目漱石が1908年に発表した短編小説「夢十夜」を10人の映画監督が映像化したオムニバス作品「ユメ十夜」(2006年)、第31回ヨコハマ映画祭でグランプリを受賞した「ディア・ドクター」( 2009年)。
「ディア・ドクター」は、笑福亭鶴瓶さんの映画初主演作品で、僻地医療の現実をモチーフに現代人の不安を鋭く描いた人間ドラマ。作品賞・脚本賞のほか、映画に出演した松重豊さんが助演男優賞、八千草薫さんが特別大賞に輝き、5冠を獲得した。
5日は16時より、西川監督とヨコハマ映画祭実行委員長の北見秋満さんによるトークショーを開催する。トークショーは映画チケットで入場可能。
北見さんは「『私が助監督だったころ』は監督たちに監督デビューまでの心のうちを語っていただくという、映画ファンならば誰でも引きつけられる企画です。記念すべき第1回のゲストは、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』から映画のキャリアをスタートし、『蛇イチゴ』で鮮烈デビュー、『ゆれる』『ディア・ドクター』で映画賞を総ナメも記憶に新しい西川美和監督です。トークショーでは、是枝監督の現場や自身の監督作品の現場についてたっぷりと語ってくださいます」と話す。
チケットは、2本立て(一般1,500円・大高1,200円・小中シニア1,000円、ラスト1本のみは一律800円)、「ユメ十夜」=一般1,200円・学生シニア1,000円。特集上映は6月18日まで。