横浜市は、5月25日に林文子横浜市長が出席したOECD(経済協力開発機構)主催の会議「首長と閣僚のための都市に関するラウンド・テーブル」の概要を発表した。
同会議は、OECDの都市政策作業部会によって、2007年に設立された「首長と閣僚のための都市に関するラウンド・テーブル」の年次会合として、「グリーン成長」をテーマにOECDの本部(フランス・パリ)で開催。会議では地球温暖化対策とグリーン成長について討議が行われ、会議の成果は、OECDが2011年に策定予定のグリーン成長戦略に反映される。
主な出席者は、OECD事務総長アンヘル・グリアさん、元カナダ首相キム・キャンベルさん、元フランス首相リオネル・ジョスパンさん、カナダのトロント市長(世界大都市気候先導グループ会長)デイヴィッド・ミラーさん、デンマークのコペンハーゲン市長フランク・ヤンセンさん、オーストラリアのメルボルン市長ロバート・ドイルさん、米国のボルダー市長スーザン・オズボーンさん。
林市長はOECDからの市長招へいを受けて、環境モデル都市及びC40(世界大都市気候先導グループ)加盟都市の首長、日本の自治体の代表として同会議に出席し、横浜市の地球温暖化対策における施策と実績について発言した。
開会討論「グリーン成長の課題の中で、なぜ都市が中心なのか?」には、メルボルン市長、コペンハーゲン市長ほか、林市長を含む52人が出席。各国の事例報告が行われる中、林市長は、G30の成果を踏まえ、都市問題と地球規模の問題解決のためには、市民自らがライフスタイルを変革することが重要であると話した。
また、制作秘話として「都市におけるグリーン雇用の創造:潜在力と現実」の事例報告では、横浜市が経済産業省が行う事業「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定されたことを踏まえ、「横浜スマートシティプロジェクト」を中心に横浜市の基本的考え方と今後の取り組み予定を紹介。
「横浜では、スマートグリッドの手始めとして、エコハウスや電気自動車、地域エネルギーマネジメントシステムを、みなとみらい21地区で1つのシステムに組み上げ、11月に開催されるAPEC首脳会議でお披露目する予定です。以後、このシステムを他の市街地へ大規模に導入し、CO2削減へとつなげていきます。横浜が進めるスマートグリッドの構築が、グリーン雇用を創出する好機となり、やがてはこのノウハウをBRICs(ブラジル、ロシア 、インド 、中国)、アジアなどの新興国に提供することで相互に持続的な繁栄をもたらすことを期待しています」と締めくくった。