中区若葉町に6月12日、古ビルを既存再生したオープンスペース兼カフェ「nitehi works」(横浜市中区若葉町3、TEL 045-334-7446)がオープンした。
同施設は、2010年度の横浜市空き店舗活用認定事業の一環として、昨年10月に閉鎖された築44年の3階建て廃ビル(元、日専連・横浜専門店会)を改修して、アーティストやクリエーターなどの拠点として再スタートした。アートユニット「似て非Works」が、屋上の室外機を天井の巨大ファンに再利用、貯水タンクや金庫の扉をディスプレイするなど、廃ビル自体がもつ既存の特性を生かした独自のリノベーションを行った。
プロジェクト名でもある「nitehi works」は、孟子の言葉「似て非なる」から引用した「似ているようでまったく異なるもの」という意味。
今後は同施設を拠点に、現代美術作家、舞台俳優、ミュージシャン、イベントプランナー、建築家など、表現者やクリエーターたちがチームを組み、人とまちをつなげたアートワークプロジェクトを展開していく。
同施設の構成は、1階フロア(カフェ&ガレージバー、アートスペース、金庫室)、中2階フロア(オープンスペース3室)、2階・3階フロア、屋上。1階部分は展示・イベント会場・実験空間、中2階は展示・ワークショップ・セミナー、2階・3階フロアはクリエータースタジオ・ギャラリーとして利用する。屋上はオープンガーデンに改修予定。
1階フロアは6月19日~27日、映像文化の発信拠点「野毛Hana*Hana」(中区花咲町1)が主催で行う、野毛と徳島県(神山町)の地域間交流プログラム「アートとまちづくり:神山×野毛」の「全貌KAIR展覧会」第2会場として利用される。
現代美術作家である、似て非works代表の稲吉稔さんは「リノベーションのコンセプトは、築44年ビルの既存の状態にスポットを当て、素材や場所の特性、景観を生かして再生することでした。その場所、その人が持っている、同じようで何かが違う小さな種を探し、一緒に『そこだけの』花を咲かせていきたい。この場所と出会い関わることで『分かること、変わること、うまれること』。それらを軸に、次につながる『似て非なる』ものを模索していきます」と話す。
営業時間は平日15時~22時、土曜・日曜・祝祭日13時~22時(18日までは18時オープン)。
アートユニット「nitehi works」は、空き店舗活性事業「アートカフェ改修計画」、「オープンスペースデザイン」、「地域活性・貢献事業」、「虹・緑化プロジェクト」、「古民家再生プロジェクト」、アーティスト制作のインテリア・日用品・オリジナルグッズの開発と販売を行う「プロダクツ」、主催企画イベントのほか、地域イベントへの参加、コーディネート、プロデュースによる共同開催「イベント」を行っている。