BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で7月17日、今年6月に他界した世界的舞踏家の大野一雄さんをたたえる「ブラヴォー!大野一雄の会」が開催される。
大野一雄さんは、全身を白塗りにし「人間の内面」を表現する踊りで独自のスタイルを確立した舞踏家。初の海外公演は、1980年にフランスのナンシー国際演劇祭に招かれて踊った「ラ・アルヘンチーナ頌」。独創的な表現が西欧の同時代の芸術家たちに受け入れられ、その後、活動の場は欧州、北米、中南米、アジア各国に広がっていった。最後の海外公演は1999年12月、ニューヨークで上演された「20世紀への鎮魂」。
今年の6月1日午後4時38分、呼吸不全のため亡くなった。享年103歳。1906年に北海道函館で生まれた大野さんは、日本体育会体操学校(現・日本体育大学)を卒業後、関東学院に体操教師として赴任。その後、捜真女学校に1980年まで勤めた。1960年代に舞踏家の故・土方巽さんと出会い、暗黒舞踏公演で共演。1961年に、横浜市保土ヶ谷区に稽古場を設け、踊りの制作活動を続けてきた。足腰が弱ってからは老いをダンスの糧とするかのように、車いすで踊りを続けたという。
「ブラヴォー!大野一雄の会」は大野さんを偲ぶ小会で、当日は礼拝後、18時から大野さんを40年余撮り続けてきた写真家・細江英公さんが献杯を行う。大野さんの息子である舞踏家・大野慶人さんも出席。参加者は随時、献花することができる。
会場では、細江さんが手掛けた大野さんの写真絵巻「胡蝶の夢」を展示するほか、大野さんの公演映像・写真・言葉で構成されたトリビュート映像を公開。そのほか、国内外の舞踏家や作家、大野さんが講師として長年勤務した「捜真女学校」(横浜市神奈川区)の教え子たちが語るインタビュー映像も上映する。
小会の様子は、動画配信サービス「USTREAM」で中継され、当日はインターネットのコミュニケーション・サービス「twitter(ツイッター)」やメールでのメッセージを受け付ける。
舞踏家や芸術家が集う「大野一雄舞踏研究所」事務局の溝端俊夫さんは「大野一雄さんが103歳と7カ月の天寿を全うされました。大野一雄さんについて、あらためて静かに思いを巡らし、感謝の意を表すため、この会を開催します。皆様のご来場を心よりお待ちしております」と話す。
会場はBankART Studio NYK・NYKホール。開催時間は14時~19時。会費1,000円(1ドリンク付き)。詳細は「大野一雄舞踏研究所」公式サイトより。