シネマ・ジャック&ベティ(横浜市中区若葉町3)で8月14日から、2010年ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶさん主演の映画「キャタピラー」が横浜で独占公開される。
キャタピラー(若松プロダクション・スコーレ)は、1960年代の日米安保反対闘争から72年「あさま山荘の銃撃戦」に至る若者たちの生き様を描いた映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」など、独特の視点で作品を手掛ける若松孝二監督の最新作。
戦争の愚かさと悲しみを描いた反戦ドラマで、太平洋戦争のさなかに手足を失い帰還した傷病兵とその妻の姿が描かれている。「正義のための戦争が、どこにあるのか」という若松監督の叫びが全編を貫く。
帰還した傷病兵の夫を大西信満さん、妻シゲ子を寺島しのぶさんが演じる。寺島さんは同作で第60回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の銀熊賞最優秀女優賞受賞を受賞。
初日の8月14日は、16時回上映後と19時回上映前の2回、寺島さん、大西さん、若松監督ほかによる舞台挨拶を予定している。当日は17時40分からサイン会もあり。
同館では現在「キャタピラー」公開記念として、作品「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のリバイバル上映を行っている(8月27日まで)。
シネマ・ジャック&ベティの梶原俊幸支配人は「若松監督はこの作品を、『実録・連合赤軍』を上映してくれた劇場に優先的に出す、と宣言し、地方の劇場に自ら電話し上映館を決めました。ジャック&ベティもその1つ。あえてミニシアターで公開するというのは、若松監督の作品を大切にする姿勢を感じさせます。監督からの『横浜の映画ファンのために挨拶をしたい』という要望で、初日の舞台挨拶やサイン会が実現しました。この夏は『キャタピラー』で戦争の悪と平和について考えたいと思います」と話す。
チケットは一般1,300円(前売り1,000円)、学生・シニア1,000円。高校生以下500円。前売り券は劇場窓口、もしくは有隣堂本店(中区伊勢佐木町1)で公開前日まで販売。上映終了日は未定(8月27日までは上映時間決定)。