横浜市中区の名画座「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3)と周辺の地域で8月28日から9月5日まで、「よこはま若葉町多文化映画祭」と、アートイベント「横浜下町パラダイスまつり」が同時開催される。
会期中は、映画館「シネマ・ジャック&ベティ」と同館1階にできた「横浜下町パラダイス会館」の2つの拠点を舞台に国際色豊かなさまざまなイベントを実施する。
「よこはま若葉町多文化映画祭」は、若葉町周辺にゆかりのある国の映画を通して、身近な「世界」を考える参加型の映画祭。
上映作品は、基地撤退後の住民たち(フィリピン人)の日常を追ったドキュメンタリー「クアリ~米軍に依存し傷ついた人々~」(中井信介監督、2004年)、台湾原住民族出身の5人の若者たちによるロックバンド「TOTEM(トーテム)」の姿を追ったドキュメンタリー「トーテム~song for home~」(若木信吾監督、2009年)。そのほか、最新韓国映画やアニメ「きかんしゃトーマス」など。上映後は監督の舞台挨拶や交流会、ミニライブを予定している。
「横浜下町パラダイスまつり」は、若葉町界隈の商店の協力を得て、約20人のアーティストが多彩なアートプロジェクトを展開。内容は、食材を持ち寄り巨大バーベキューセットで焼いて食べる「焼き焼きおすそわけ」(写真家・今井紀章さん)、参加自由の「俳句ツアー~おくのほっそり道」(詩人・中村剛彦さん)、竹馬に乗って若葉町を眺める「若葉町竹馬さんぽ」(アシスタント清水チナツさん)、幻のバー「A BEBE」を訪ねる「若葉町ブラジリアン・バー探訪」ほか。
エスニック料理を提供するインド人・ワスナニおじさんの「インド屋台」やマチコねえちゃんの「タイ・ラーメン屋台」(地球市民ACTかながわ)も登場する予定。
イベントの企画の中心は、1996年より横浜市中区で「アートセンター」を運営しているアーティストによる非営利団体「ART LAB OVA(アート・ラボ・オーバ)」。社会的立場や障がいの有無、年齢、国籍などに関係なく、アートを通じていろいろな人が交流できるプロジェクトをまちで展開している。2007年から若葉町周辺の外国籍の子どもたちに向けた多文化共生プロジェクトに取り組む。
同団体代表のひとりの蔭山ヅルさんは「2回目の開催を迎える今年は、国籍や年代を超えたコミュニケーションのきっかけ作りとして、見知らぬ人同士がより気軽に交流できるよう、アーティストの個人的な趣味や特技を生かしたイベントを企画しました。若葉町の異文化・異世代交流をお楽しみください」と話している。