「横浜地域情報化推進協議会」(tvk、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボなどで構成)は10月26日18時30分から、横浜メディア・ビジネスセンター1階「アプローズ」(中区太田町)で、シンポジウム「豊かなつながりを育むために~みんなで考える横浜の地域情報化」を開催する。
研究者・実践者が、自治体所有情報の公開・活用のあり方や地域のつながりづくりに行政が果たす役割などについて報告するほか、現在横浜市が公表している「情報化の基本方針(素案))」に対し、Ustreamなどソーシャルメディアを使ったパブリックコメント募集を試みる。
「横浜地域情報化推進協議会」は、7月から総務省交付金事業「横浜ストリーム」(正式名・地域レポーターが地域活性化支援するユビキタスメディア基盤事業)を展開するプロジェクト推進体。今回のシンポジウムは、横浜市共創推進事業本部と共催で、市民間のつながりづくりや行政への市民参加を可能にする「地域情報化」について考え、アイデアを出し合おうと企画された。
前半のゲストトークでは、アカデミックリソース・ガイド代表の岡本真さん、国際大学GLOCOM主任研究員で政府のIT戦略本部電子行政タスクフォースメンバーの庄司昌彦さん、横浜市内の乳幼児の親を対象に配信している子育て情報メールマガジンの編集長をしているNPO法人シャーロックホームズの東恵子さんがそれぞれ、海外・国・横浜の情報化について報告する。さらに、パブリック・コメントを募集している横浜市総務局IT活用推進課の山口健太郎さんが、今回の「基本方針(素案)」についてミニレクチャーを行う。シンポ後半は、会場の参加者・ウェブ生中継を閲覧している視聴者とともに、横浜の地域情報化をテーマにアイデアを出す「公開ブレスト」を行う。
山口さんは「今回初めて、横浜の情報化施策に『地域情報化』が位置づけられました。よりよい地域社会を実現する提案を考える場として、地域と情報に関心がある市民の方たちにぜひ参加していただきたい」と話している。
横浜市が定めた「横浜市情報化の基本方針(素案)」は、昨年ほぼ1年をかけ、総務局IT活用推進課が中心となって素案を練り上げ、今年9月末に発表された。素案は、「情報化ビジョン」と「行動計画」の2部構成となっている。
「情報化ビジョン」で市は、「実現したい社会像」として「地球や人にやさしくアイディアあふれる情報社会」を掲げている。IT推進課によると、これまでの情報政策との差異は「行政内部にとどまらない、地域の情報化」と「(情報化推進による)環境負荷の低減」を明確に掲げた点だという。
また、「行動計画」は「58の実行施策」と「35の必要施策」で構成され、直近の4年間の具体的なアクションを明記している。市は29日まで、電子メール・ファクス・ハガキで市民から意見・提案を募っている。集まった意見は11月中に整理され、年内には横浜市としての考え方をまとめて公表する。