日産自動車(横浜市西区高島1)は11月2日、高級セダン「フーガ」にハイブリッドシステムを搭載した「フーガ ハイブリッド」の発売を開始した。同社が独自開発したハイブリッド車は「ティーノハイブリッド」以来10年ぶり。
「フーガ ハイブリッド」には、1つのモーターで2つのクラッチを組み合わせたハイブリッドシステム「インテリジェント デュアル クラッチ コントロール」を採用。ガソリン1リットル当たりの走行距離19キロメートルというコンパクトカー並みの燃費を実現した。電気のみで走行できる距離は他社のハイブリッド車より長く、時速80キロでも電気で走ることができるという。
搭載されるハイブリッドシステムは、クラッチにより電気モーターとエンジンを使い分け、ガソリンの消費を抑制。素早く充放電できるリチウムイオン電池の採用によりスムーズに変速できる。また、1つのモーターが駆動用と発電用を兼ねることで軽量化を図った。
同車では操舵時のみにモーターが作動する方式「電動油圧式電子制御パワーステアリング」とモーターがブレーキシリンダーを作動させる「電動型制御ブレーキ」、音声ガイドとディスプレー表示による「高速道路の逆走報知」を世界で初めて搭載する。そのほか、歩行者に車両が接近していることを音で知らせる車両接近通報装置を搭載するなど、環境性能と操作性の向上が特徴。
価格は「フーガ ハイブリッド」が577万5,000円。後部座席の快適装備を充実させた「フーガ ハイブリッド VIPパッケージ」が630万円。50パーセント減税されるエコカー減税の対象車のため、自動車取得税と自動車重量税が免税になる。
日産自動車の広報担当者は「『フーガ ハイブリッド』は、1モーター2クラッチのパラレルハイブリッドシステムの採用により、燃費はリッター19キロメートルと、高級タイプのハイブリッド車の中では群を抜く低燃費を実現しました。また、高級車にふさわしい高い品質を追求しており、お客さまに必ずやご満足いただけるものと確信しております」と話している。