京浜急行日ノ出町駅近くにある元旅館を改装したアートスペース「竜宮美術旅館」(横浜市中区日ノ出町1)で、11月20日より現代美術展「荒野をおよぐ landswimming」が開催されている。
同展は、神奈川県出身でジャンルの異なる2人の作家による展覧会。画家のしんぞうさんと立体造形作家 窪澤瑛子さんが、計6室の展示空間に同建物や互いの世界観にインスピレーションを得て制作した作品を展示する。 若手キュレーターとNPO法人黄金町エリアマネジメントセンターが共催で行う。
しんぞうさんは、アクリル絵の具で不安や孤独などの「負」の感情を取り出した絵画作品を制作。窪澤さんは「コミュニケーションの僻地」をテーマに、つけ爪や毛皮などを素材に相反するイメージを混在させた立体作品を発表する。
会期中は関連イベントとして、新宿眼科画廊ディレクターのタナカチエコさんを招いたアーティストトークを実施。そのほか、キュレーターによるギャラリートーク、踊り手・アーティスト 東山佳永さんのダンス・パフォーマンス、作家2人と徹夜で行うワークショップを実施する。
キュレーションを行う立石沙織さんは、「『竜宮美術旅館』は、ほぼ廃墟になっていた元旅館。眠りついていた部屋に新たな息吹が混じっていく瞬間を漂いながら、自身の『竜宮物語』の想像・創造をお楽しみいただければ幸いです」と話す。
開催時間は11時~21時。入場無料(一部関連イベントは参加費あり)。詳細は公式ブログから。12月12日まで。
「竜宮美術旅館」は、昭和20年代に建てられた古い旅館。NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター主催の黄金町エリア全体を使ったアートイベント「黄金町バザール2010」(9月10日~10月11日)の開催に伴い、同建物を観光名所にする建築プロジェクト「竜宮プロジェクト」を立ち上げ、建築家とアーティストが協働で使われていなかった同旅館を改装した。現在は1階の一部をカフェ、客室として利用されていた空間をギャラリーやレジデンススペースにコンバージョンして利用。豊かな時間・空間を体験する場の創出、地域活性をコンセプトに運営している。