横浜市立野毛山動物園(横浜市西区老松町63)で飼育されているレッサーパンダ2頭が、繁殖に向けほほえましい姿を見せている。
同園では現在、レッサーパンダの「キンタ」ちゃん(メス、10歳)と「海(うみ)」くん(オス、8歳)を飼育している。
海くんは群馬サファリパーク生まれで、今年1月に東武動物公園から入園した。東武動物公園で2006年から4年連続の繁殖実績があり、同園でも新しいペア「キンタちゃん」との繁殖に期待が寄せられている。
キンタちゃんは中国生まれ(上海動物園)で、出産の経験はなし。日本国内のレッサーパンダとは血縁のない新しい血統のため、今回の繁殖に成功すると、国内でのレッサーパンダの種の保存に貢献することになる。
海くんの入園時はレッサーパンダの繁殖シーズン(1月~3月)ということもあり、海くんが環境に慣れた後に「お見合い」を実施。最近では繁殖時期が近づき、海くんとキンタちゃんは、朝モーニングキスで挨拶を交わしていることが多いという。2頭の仲むつまじい姿は来園者にも人気で、この行動は来年の1月上旬頃まで見られると予想されている。
横浜市立野毛山動物園 飼育担当者の藤岡隆二さんは「今の時期だけに見ることができるとても珍しい行動です。必ず見ることができる行動ではないですが、開園時間後からお昼までがチャンスです。仲の良い2頭のレッサーパンダに是非会いに来てください」と話す。
レッサーパンダは、食肉目アライグマ科。中国(四川、雲南、西蔵地方)からネパールの山地に生息する。頭胴長56~63センチ、 尾長37~50センチ、体重4~7キロ。前肢には竹を握るときに用いられる特別に発達した親指状の突起(種子骨)を持つ。1~3月に交尾を行い5~8月に出産する。寿命は10~12年。基本的に単独性で、木登りが得意。主食は柔らかい竹の葉やたけのこで、果実やドングリ、 小動物、鳥、卵なども食べる。
開園時間は9時30分~16時30分(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合はその翌日)。入園料は無料。