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横浜美術館で写真展「しあわせの肖像展」-家族写真を紹介

「新井卓+横浜市写真師会 美術館のなかの写真館プロジェクト~しあわせの肖像展」より(写真は写真家の新井卓さん)

「新井卓+横浜市写真師会 美術館のなかの写真館プロジェクト~しあわせの肖像展」より(写真は写真家の新井卓さん)

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 横浜美術館のカフェ小倉山(横浜市西区みなとみらい3)で2月5日より、「新井卓+横浜市写真師会 美術館のなかの写真館プロジェクト~しあわせの肖像展」が開催されている。

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 同展は、国際的な総合写真イベント「フォト・ヨコハマ2011」の中心的なイベントとなるカメラと写真映像の総合展示会「CP+(シーピープラス)2011」と横浜美術館の連携企画。

 会期中は、写真家の新井卓さんが、家族が暮らす環境や生活の気配などを写し込んだ家族写真の記憶を元に制作した家族の肖像写真、横浜市写真師会のメンバーによる家族の肖像写真を展示し、写真館の文化を再考するきっかけを提供する。

 新井さんは今回、家族への事前インタビュー後に撮影・プリントした背景画(書割)を使い家族写真を撮影。展示コーナー「家族写真と記憶のリレー」には、公募で選ばれた家族構成・国籍さまざまな9家族の肖像写真が並ぶ。新井さんは「人物だけではなく背景にも目を向けてもらえるよう、人物と背景をあえて分離しました。書割を用いた展示は初めての試み」と語る。

 「記憶のインタビュー」コーナーでは、新井さんがモデルになった9家族の自宅を訪問し、古い写真やアルバムを見ながら行ったインタビュー冊子を閲覧することができる。

 「横浜の写真館がみた家族の肖像」コーナーでは、横浜市写真師会の写真館のメンバーが家族の肖像写真を撮影時のエピソードとともに紹介する。横浜市写真師会は、1910年に横浜写真師会組合として発足し写真撮影を専業としてきたプロの写真家集団。

 会場では、家族の軌跡をたどるスライドショーのほか、かつて写真館で使われていたアンソニー型大判カメラ(暗箱)を展示。冠り布(裏地が赤い布)の下から、カメラの後ろ側に逆さまに写るみなとみらいの風景を確認できる。

 新井さんは「写真館はある種の文化。昔はどんな田舎にも写真館があり、ハレの特別な瞬間に写真が使われていたと記憶している。今回は記憶のインタビューを通して、現代におけるハレとケの変化に気づかされた。『しあわせの肖像展』から、写真を『撮る』だけではなくそれを『見る』こと、写真を通して人々が交流すること。そして、かけがえのない記憶を次の世代にリレーしていくことに注目しながら『写真館の文化』を見つめ直していただければうれしい」と話す。

 関連イベントとして、2月11日・12日・13日は、アートギャラリー2で「オープンスタジオ」を開催。新井さんが横浜美術館内に写真館をオープンして「しあわせの肖像」写真を撮影する。撮影した写真は写真展のテレビモニターで紹介される予定。定員は各日先着10組程度。詳細はホームページで。

 開催時間は10時45分~18時。木曜休館。入場無料。2月27日まで。

 新井さんは川崎市出身で、写真黎明期の技法「ダゲレオタイプ(銀板写真)」を手がける写真家のひとり。広告写真制作会社を経て2006年に独立し、横浜のスタジオ兼事務所を拠点に活動。各種メディア、書籍などの写真撮影の傍ら、国内外の美術館、ギャラリー、大学、地域NPOと連携した制作活動も行っている。

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