The Linux Foundation(横浜市中区山下町74)はパシフィコ横浜で5月31日、災害時におけるコラボレーションの力をテーマとする公開フォーラム「The Power of Collaboration in Crisis」を開催する。
フォーラムは、フリーソフトウェアとして公開されているコンピューターのOS「Linux」の普及に取り組む国際的な非営利団体「The Linux Foundation」が、6月1日から3日までの3日間開催する国際カンファレンス「LinuxCon Japan 2011」のプレフォーラムとして、東日本大震災の復興支援を目的とするオープンな開発プロジェクトに多くの開発者が参加する機会を提供することなどを目的に開催される。
東日本大震災の被災地支援のために提供されているインターネットのさまざまな被災者支援サービスには、Linuxなどのオープンソースソフトウェアが使われてており、多くのボランティア技術者がサービスの開発に参加している点が注目されている。
フォーラムでは、被害状況や避難所、安否情報やボランティア募集などの情報を集約して地図上に表示している「Sinsai.info」や「Open Street Map」の取り組み、インターネットを使って震災からの復興を継続的に支援するIT開発を支える「Hack For Japan」の活動などを紹介する。
パネルディスカッションでは、企業や国境を越えたコラボレーションにより、大きな価値を社会に提供してきたオープンソースの開発プロジェクトの可能性や課題について討議する。
また、横浜市消防局危機管理室危機管理部の土屋哲郎さんが、東日本大震災における横浜市の取組みについて紹介するほか、情報交換会として「Sahana日本チーム」や「日本アンドロイドの会横浜支部」などが、ネット上でアイデアを募集し、実際に集まってプログラムを開発する「ハッカソン」の活動や、災害時救済情報共有システムの開発などを紹介する。
会場は、 パシフィコ横浜会議センター4階。参加費無料。会場の様子は、イベントを後援する横浜観光コンベンション・ビューローがUSTREAMを使って生中継する。
6月1日から3日まで開催される「LinuxCon Japan 2011」は、アジア地区最大のLinux/OSSの国際技術カンファレンスで、「Linux」が誕生して20周年となる今回は、Linux創始者のLinus Torvaldsさんも来日。クラウドコンピューティング、情報家電や自動車などコンシューマー製品への組み込み開発をはじめ、Linuxに関する約60のプログラムが行われる。