洋菓子販売店「モンテローザ」を展開する三陽物産(横浜市中区長者町9)は、7月11日より新商品「象の鼻物語」を発売する。
同社は、「お菓子を通じて横浜の歴史文化を継承する」というスローガンのもと、横浜の風景や歴史をイメージした菓子を企画・販売。今回は、横浜の史跡である「象の鼻」と山下公園の「インド水塔」にスポットを当てた洋菓子「象の鼻物語 サクサクマカロン」を新たに提供する。
同商品は、一口サイズのココナッツマカロンとチョコマカロンの2袋入り。調味料、保存料、着色料などの食品添加物を使用しない菓子で、上品な甘みと独特のサクサクとした食感が特徴。パッケージには「象の鼻」と「インド水塔」にまつわる歴史を解説した小冊子が付く。価格は1箱500円。
商品の売上の一部は、日本赤十字社を通して東日本大震災の義援金として寄付する。販売は、同社ショールーム(中区長者町9)をはじめ、横浜タカシマヤ(西区南幸1)、そごう横浜店(西区高島2)、新横浜プリンスホテル(港北区新横浜3)など。
三陽物産 代表取締役社長の山本博士さんは「『象の鼻』の波止場とインド水塔に込められた物語がお菓子になりました。『インド水塔』は、関東大震災からの復興の象徴であると同時に友情のシンボルでもあり、『象の鼻』は、世界中の人々との友情の窓口であった横浜港発祥の地です。これからも横浜の歴史や文化を継承できるようなお菓子作りをしていきたい」と話す。
山下公園の「インド水塔」は、関東大震災の際に、横浜市がインド商人をはじめとする外国商人の救済措置を積極的に講じた返礼として、インド商組合から寄贈された。また、「象の鼻地区」は横浜港発祥の地で、横浜開港150周年に合わせて再整備され、2009年6月2日の開港記念日に「象の鼻パーク」としてオープンした。
三陽物産は1962年に創業し、洋菓子店モンテローザを展開。来年で創業50周年を迎える。これまで、勝海舟設計の神奈川台場をモチーフにした縁起菓子「銘菓 勝サブレ」や、「横浜バウムクーヘン 玉楠(たまくす)の木」、横浜の歴史的建造物である「横浜三塔」にまつわる伝説をイメージした「横浜三塔物語 スティックケーキ」などを販売してきた。
昨年10月には地域文化貢献の一環として、明治時代に横浜で製作され、海外の万博などで受賞を重ね「幻のやきもの」とも呼ばれている「宮川香山の眞葛焼(まくずやき)」を常設展示する「宮川香山 眞葛ミュージアム」(神奈川区栄町6)を横浜ポートサイド地区に開館している。