NPO法人「アニミ」(服部一弘理事長)は7月27日、横浜市地域活動支援センター精神障害者作業所型「仕事処アニミ」(小林朋未所長、横浜市西区みなとみらい4)の開所式を行った。19人の通所者がカフェ接客、パン製造、小物作りなどの軽作業の3事業に従事し、地域との交流を深めつつ、全国から観光客が集まるみなとみらい21地区から「障害者の社会参加が当たり前の社会」を実践・発信していく。
「仕事処アニミ」は、約100平方メートル。カフェ・パン製造工房・事務スペースに分かれている。ホームセンター・ファミリーレストランなどが入居するビル内、みなとみらい大通り沿いに位置している。アンパンマンミュージアムなどが近く、土日などは家族連れなどでにぎわう利便性の高い場所にある。
アニミは2003年から、同じスペースをNPO法人の活動拠点として利用してきたが、この6月から、障害者自立支援法に基づく「地域生活支援事業」の1つである「地域活動支援センター」の位置付けで、新たに事業をスタートすることになった。
開所式には、地域の自治会・行政・医療関係者など約40人が集まった。
来賓の祝辞の後、自身も車いすを使っている服部理事長が、NPO法人として積み重ねてきたこの7年間の活動を振り返りながら「これからは、社会参加・地域との交流がまだまだ不十分な環境に置かれている精神障害者のみなさんを、私たち障害当事者と地域の方々とが力を合わせ一緒になって支援していきたい」と決意を述べた。
さらに「活動の局面は変化したけれど、障害がある人が社会参加していくことで社会が変化する、という信念は変わらない」と、活動の原点を強調した。
カフェアニミでは、工房で焼く自家製パンを使った軽食、ひき立てのコーヒー、スパイスから調合するカレーなどを楽しめる。
現在アニミでは、発信や交流の実践事業として、インターネット放送局や哲学カフェなど、さまざまなアイデアが出ており、多様な自主事業を展開しながら、地域との共生を実践していく。