シネマ・ジャック&ベティ(横浜市中区若葉町3)は、フランスの振付家ローラン・プティの追悼上映として作品「ダンシング・チャップリン」を公開している。
同作は、映画「Shall We ダンス?」(1996年)、「それでもボクはやってない」(2007年)などを手掛けた周防正行監督の新作バレエ映画。振付家ローラン・プティがチャップリンを題材として、ダンサーのために振り付けたルイジ・ボニーノ主演の名作「ダンシング・チャップリン」(原題:Charlot Danse avec Nous)を、映画のために再構成してフィルムに収めた。
出演者は、ルイジ・ボニーノ、草刈民代、ジャン=シャル・ベルシェール、リエンツ・チャン、ローラン・プティ、ユージーン・チャップリン。
映画は2幕構成で、第1幕は、世界中から集まったダンサーたちの舞台裏60日間を記録した「アプローチ」。第2幕には、周防監督がプティの「ダンシング・チャップリン」全20演目を13演目に絞り、映画のために再構成・演出・撮影した「バレエ」が収録されている。
周防監督の妻でもあり、2009年にバレリーナを引退した草刈さんもルイジ・ボニーノの相手役として全7役をこなし、36年のバレエ人生の集大成ともいえる最後のダンスを披露している。
シネマ・ジャック&ベティの梶原俊幸支配人は「映画の前半では、振付師ローラン・プティさんと周防正行監督が意見をぶつける場面があります。草刈民代さんやルイジ・ボニーノさんといったダンサーたちが加わったプロフェッショナルな現場を体感できるこの映画を上映することで、ローラン・プティさんを追悼できれば」と話す。
チケットは一般1,800円、大高1,500円、小中シニア1,000円。8月26日まで。
ローラン・プティは1924年、フランス生まれ。9歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学する。20歳でパリ・オペラ座を退団後、1948年にパリ・バレエ団を結成し、作品「カルメン」が大成功を収める。その後、ハリウッド映画への出演やミュージカル映画の振付けなども行うようになり、バレエ界のスターたちを主役に創作活動を開始。1981年にマルセイユ・バレエ団の芸術監督に就任する。主な作品は、「若者と死」(1946年)、「カルメン」(1949年)、「ジジ」(1961年)、「ノートルダム・ド・パリ」(1965年)、「ピンク・フロイド・バレエ」(1972年)、「コッペリア」(1975年)など。今年7月10日、87歳で亡くなった。
1991年に発表された作品「ダンシング・チャップリン」は、フランス、イタリア、スイス、アメリカ、日本など全56都市で公演されている。