横浜能楽堂(横浜市西区紅葉ヶ丘27)で9月3日、東日本大震災チャリティー公演「古典芸能のつどい横浜」が開催される。
同公演は、横浜在住の古典芸能家有志が呼び掛け、「伝統芸能の宝庫」と言われる三陸地方の伝統芸能の復興支援を目的に企画された。古典芸能のつどい横浜実行委員会、横浜能楽堂(横浜市芸術文化振興財団)が主催。
当日は、ジャンルを超えた約50人の古典芸能家が出演し、「能」「狂言」「琉球舞踊」「日本舞踊」など多彩な演目を披露する。
曲目は、金春流の能「羽衣」(山井綱雄)、日本舞踊「島の千歳」(藤間恵都子)、日本舞踊「槍をどり」(水木佑歌)、琉球舞踊「鳩間節」(児玉清子・由利子)、大蔵流の狂言「茶壺」(山本東次郎)、琉球筝曲「六段菅撹」(名嘉ヨシ子)ほか、仕舞・独吟など全20曲を予定。
3月の地震・津波により、三陸地方の多くの関係者が亡くなり、神楽面や幕など伝統芸能には欠くことの出来ない道具類も流された。同公演の収益金は全て被災地に寄付され、中赤崎獅子舞保存会(大船渡市)、永浜鹿(しし)踊り(大船渡市)、笹崎鹿(しし)踊り(大船渡市)、大浦虎舞(山田町)などの権現様(獅子頭)の修復や装束の新調などに使われることが決まっている。
横浜能楽堂の熊谷敬子さんは「震災直後から横浜の芸能関係者の中でチャリティー公演の話が持ち上がり、有志が集まり話し合いを進める中で、『同じ芸能を愛する者として、目に見える形で復興の手助けが出来れば』と、道具類に絞った形で支援することになった。当日は、ロビーに支援先のパネル展示を行う予定です。復興には相当な時間がかかるが、今回の試みが横浜と東北の芸能関係者の息の長い交流につながれば」と話す。
開場12時、開演13時、終演16時45分頃。入場料は5,000円(全席指定)。問い合わせは横浜能楽堂(TEL 045-263-3055)まで。