映像文化の発信拠点「野毛Hana*Hana」(横浜市中区花咲町1)で10月21日、金沢ゆかりの世界的化学者・高峰譲吉の半生を描いた映画「さくら、さくら -サムライ化学者 高峰譲吉の生涯-」上映会が行われる。
主催は、中小製造業の販売促進を目的とした支援組織「横浜売れるモノづくり研究会」(中区元浜町3)。
同作は、消化酵素「タカヂアスターゼ」を発見し、「アドレナリン」の抽出に世界で初めて成功し、日米の融和に尽力した近代バイオテクノロジーの父・高峰譲吉の軌跡を辿った物語。高峰役を演じる俳優の加藤雅也さんが米国人女性キャロラインと結婚し、送った波乱と試練の日々が記録されている。
横浜出身の市川徹さんが監督を務め、キャストは加藤雅也さん、ナオミ・グレースさん、国分佐智子さん、松方弘樹さんほか。高峰は、1912年に日米友好・親善のため、東京からワシントンのポトマック湖畔に送られた3000本の桜の架け橋となった人物としても知られている。
イベントには横浜出身の芥川賞作家、荻野アンナさんが来場する予定で、映画鑑賞後は市川監督のトークショーと、参加者同士の交流会(軽食付き)を予定している。
共催するヨコハマNOW事務局の渡邊桃伯子さんは「単身異国に乗り込み、苦難を乗り越えて研究をし続けた高峰譲吉の気概を多くの方々に感じ取って頂きたいと思います。また、正式なものとしては日本初の国際結婚となる高峰譲吉とキャロラインの恋物語にも注目です」と話す。
開催時間は18時30分~21時30分。事前申込制で、参加料は2,000円(交流会費含む)。定員100人。申し込み・詳細は「ヨコハマNOW」 ホームページで。
山手地区の外国人墓地(中区山手町96)には、ポトマック湖畔の桜の植樹に貢献したアメリカの紀行作家、エリザ・R・シドモアが眠っている。ポトマック湖畔の桜は1991年に里帰りし、「シドモア桜の会」によってシドモアの墓碑の傍らに植えられた。横浜市内では、シドモアと桜のエピソードを後世に伝えることを目的とした桜の移植活動が進められており、元町交番付近、谷戸橋の脇には、シドモア桜から接ぎ木した苗木が植えられている。