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被災地の子ども図書室に「本棚」を-東海大学とsaveMLAKが寄付を呼びかけ

「名取市図書館どんぐり子ども図書室」完成予想図

「名取市図書館どんぐり子ども図書室」完成予想図

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 東日本大震災で被災した図書館・美術館・公民館などの復興を支援する専門家の民間ネットワーク「saveMLAK」(事務局・横浜市中区相生町3)が、来年1月6日に開所する「名取市図書館どんぐり子ども図書室」(宮城県)実現に大きな役割を果たしている。

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 同図書室の建設費用は「公益財団法人日本ユニセフ協会」の寄付でまかなったものの、この図書室に設置する「本棚」購入の目途がいまだに立っていないため、「saveMLAK」では、建設を統括する東海大学(平塚市北金目)と連携し、同大学チャレンジセンターが運営する「どんぐり募金」に、子どもの本を収納するために必要な約200万円の寄付を呼びかけている。

 名取市図書館は、津波の被害こそ免れたものの全損状態で市民が使えない状態が続く。5月から移動図書館用バスを子ども用図書室として運用していたが、厳冬の1・2月を迎える前に、子どもたちの居場所となり、安全に本が読める環境を提供しようと、夏ごろから図書室建設が検討されてきた。

 日本ユニセフ協会の建設費寄付が10月ごろ正式に決まり、名取市の選定を経て、東海大学工学部建築学科の杉本洋文教授考案の震災復興応急住宅モデル「どんぐりハウス」の仕組みが導入されることになった。建物は、今月初めに着工し、来月6日に開所を迎える。

 ただし、被災した同市には、図書室に設置する本棚を購入する予算がなく、約2万冊ある蔵書を入れるめどが立っていない。このためsaveMLAKでは、建設を統括する東海大学同大チャレンジセンターが「生活復興プロジェクト」で設置した「どんぐり募金」への寄付を呼びかけている。

 saveMLAKは、研究者・社会教育施設職員ら、専門家のネットワーク。震災発生直後からwikiの仕組みを使うなどして、被災地の図書館・美術館・公民館などの被害状況を集約・整理してきた。

 名取市図書館は、今年5月、saveMLAKメンバーで、アカデミック・リソース・ガイド社(横浜市中区相生町)代表の岡本真さんが、別プロジェクトの被災状況調査で同館を訪れたことが縁で、やりとりが始まった。

 saveMLAKは、図書館建設に実績がある企業や被災地の図書館関係者らと意見交換しながら、より早く、被災地に負担にならないことを軸にして、関係組織間のコーディネートを担当した。

 岡本さんは「限られた資源の中で支援や復興の優先順位をつける必要はありますが、2011年3月11日以前には、普通にできていたことができるようになることこそが復興であると考えています。名取市の方々全般にとって、たとえ自分自身が図書館を利用しなくても、震災前には当然のようにあった行政機能が復活するということは復興の兆しの一つとして励みになるよう願っています」としたうえで「震災によって大きな被害を受けた地で、相対的に、より弱い立場にいる子どもの存在を尊重することは重要です。そのような子どもたちへの敬意の一つの形として、今回の子ども図書室があります。ぜひ、被災地の子どもたちの読書環境をよりよくするために、多くの市民に力を貸していただきたい」と寄付を呼びかけている。

 どんぐり募金の振込先は横浜銀行 東海大学駅前支店 口座番号6032050「トウカイダイガクチャレンジセンター 3.11 セイカツフッコウシエンプロジェクト」。問い合わせは、東海大学チャレンジセンター推進室(TEL 0463-58-1211)まで。

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