日産グローバル本社ギャラリー(横浜市西区高島1)に、「いわてを走る移動図書館プロジェクト」の移動図書館車両が展示されている。
「いわてを走る移動図書館プロジェクト」は、シャンティ国際ボランティア会(SVA)が2011年7月17日より開始。現在岩手県内4市町(山田町、大槌町、陸前高田市、大船渡市)の仮設住宅を、2週間に1回訪れている。日産自動車は、SVAに移動図書館車両のベース車両として「日産アトラス」を2台寄贈した。
SVAは、1981年創立。カンボジアの難民キャンプの子どもに絵本を届けることから活動を始め、子どもたちへの教育・文化支援を行っている公益社団法人。現在、アジアをはじめとする5カ国の途上国への図書館支援をおこなっている。阪神・淡路大震災を機に、国内への緊急支援活動も開始。東日本大震災で図書館施設の被害が大きかった岩手県で、移動図書館の取り組みを行ってきた。
1月6日に行われたプロジェクト報告会で、同プロジェクトスーパーバイザー鎌倉幸子さんは「プロジェクトのコンセプトは『立ち読み。お茶のみ。お楽しみ』。車のそばにテントで休憩できる空間をつくります。移動図書館は、本を通したふれあいの場になっています。こんな時だからこそ、子どもたちに本に出会ってほしい。読書の習慣をなくさないでほしい」と話す。
移動図書館を利用する子どもの母親たちからは「貸し出しということで、支援物資をもらい慣れた子どもたちの教育になってよい」との声もあがっているという。
日産自動車のCSR担当小暮淳子さんは「日産とSVAは、1998年の『日産NPOラーニング奨学金制度』でかかわりを持ってからの付き合いです。日産の車が岩手で活動することは非常にうれしい」と話す。
移動図書館の車両には、約2,000冊の本を積むことができる。車両は1月9日まで同ギャラリーに展示され、期間中は自由に移動図書館車の中に入って本を手に取ることができる。
同車両は、1月中旬に岩手入り。陸前高田市、大船渡市の仮設住宅などを巡回する予定で、1月21日の大船渡市の仮設住宅が最初の運行となる。