横浜みなと博物館で「タイタニック日本人生存者の手記」公開

タイタニックの便せんの表・裏面に遭難から救助までの様子が記録されている

タイタニックの便せんの表・裏面に遭難から救助までの様子が記録されている

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 横浜みなと博物館(横浜市西区みなとみらい2)で、タイタニック沈没100年「タイタニック日本人生存者の手記」が特別公開されている。

タイタニックの便せんに書かれた手記(表面)

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 タイタニックは1912年4月に完成した豪華客船。造船所はハーランド・アンド・ウルフ造船所(北アイルランド・ベルファスト)。船主はホワイト・スター・ライン(イギリス)。建造時に世界最大で、総トン数は46,329トン、全長269.1メートル、全幅28.2メートル。速力22ノット(時速約40キロ)。旅客定員は計2,603人(1等905人、2等564人、3等1,134人)。乗組員900人。

 約2,200人の乗客を乗せたタイタニックは、1912年4月10日正午にサウサンプトン港(イギリス)を出港後、シェルブール(フランス)とクイーンズタウン(アイルランド、現在のコーブ)に寄港し、4月17日にニューヨークに到着する8日間の航海を予定していた。手記を書いた細野正文さん(当時41歳、鉄道院副参事)は、この航海に乗船した唯一の日本人で、救命ボートに乗り救助された703人の中のひとり。音楽家で元YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の細野晴臣さんの祖父でもある。

 今年は、タイタニックが処女航海で1912年4月15日に沈没して100年経つことから、同館が2005年に細野さんの子孫から寄託されたタイタニックの資料を特別公開する。

 手記は、タイタニックの便箋(びんせん)1枚の表裏に沈没事故について記録したもので、4月14日深夜に氷山衝突後、次第に混乱していく船内の様子や、世界最大船沈没の衝撃、待ち続けた救助船が見えたときの喜び。そして、ほぼ満員状態となった救助船での航海など、ニューヨークに到着する18日までの出来事について書いている。便箋を透かしてみると中央に「WHITE STAR LINE」の文字と星のマークが見えるという。

 会期中は、クイーンズタウン停泊中の船客「二等用プロムナードデッキ」(1912年4月11日)、手すりや壁面に凝った彫刻が施された「一等大階段」(1912年)、救命ボート上の人々、タイタニック号など、同館所蔵の写真パネルも展示する。

 帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体広報担当の佐野裕美さんは「資料が寄託された2005年に初公開して以来の特別展示です。来館者の方々は便箋の表・裏面をゆっくりとご覧になっています。隣のライブラリーではタイタニックの関連図書もまとめておりますのでお立ち寄りいただけたら」と話す。

 会場は横浜みなと博物館 常設展示室。開館時間は10時~17時。入館料は、高校生以上600円、小・中学生・65歳以上300円。5月6日まで。

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