ローズホテル横浜1階の洋食レストラン「ブラスリー ミリーラ・フォーレ」(横浜市中区山下町77)は、140年前のレシピを再現したカレーを期間限定で提供している。
横浜開港資料館(中区日本大通3)で開催している第40回特別資料コーナー展示「カレー伝来から140年、明治5年のレシピを読む」の連携企画。
今回は、1872(明治5)年に発行された2冊の料理本「西洋料理通」「西洋料理指南」に記載されたレシピを基に、同ホテルの小林誠一総料理長が再現した3種類のメニュー「明治5年のマトンカレー」「明治5年の牛カレー」「明治5年の蛙(かえる)と海鮮カレー」を提供する。
「明治5年のマトンカレー」はまろやかさを特徴としており、「明治5年の牛カレー」は、牛肉とリンゴの甘さが調和した子どもにもやさしい味付け。「明治5年の蛙と海鮮カレー」は、しょうが・にんにく・長ねぎ(みじん切り)、バター、小麦粉、カレー粉、ジュドサンジャック、鶏肉、蛙足、小海老、真鯛、塩を材料とし、香辛料のカレー粉が効いたヘルシーなカレーに仕上がっている。価格は各1,400円(コーヒーまたは紅茶つき)。
日本に初めてカレーの作り方を広めたのは、この2冊の翻訳料理本「西洋料理通」「西洋料理指南」で、中でも「西洋料理通」は、横浜の居留地に住む英国人が、料理をする際の参考に使用人に与えた「手澤帖(てびかえ)」2冊を戯作者の仮名垣魯文(かながきろぶん)が入手し翻訳したもので、明治初頭の横浜に住む外国人の食生活を知る手がかりとなる貴重な資料とされている。
ローズホテル横浜の山根愛子さんは「ローズホテル横浜の所在地である山下町77番地付近は、かつて外国人居留地の一角で、関東大震災で打撃を受けて横浜を離れたインド商人が横浜へ戻る契機となった商館『インド屋敷』を建設した地でもあります。このような歴史的背景もあり、期間終了後も、今回のカレーをローズホテル横浜の名物料理として継続することも検討しています」と話す。
提供時間は10時~22時(ラストオーダー21時30分)。横浜開港資料館のチケット半券提示で割引実施。5月31日まで。